「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏と共同研究したサーベイ『ソラミドWell-being』を通して、次世代の自由でフラットな組織を模索する


情報過多の時代、企業の独自性を伝える「ブランドストーリー」は、顧客と優秀な人材を引きつける強力な武器です。
人事・採用担当者にとって、企業のパーパスや文化を語るストーリーは、採用競争力、従業員定着に不可欠。本記事で、その基本から実践法、成功事例まで解説します。

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。
ブランドストーリーは、企業の価値やビジョンを感情に訴える物語です。顧客や従業員との共感を築き、長期的な関係性を構築するための強力なツール。その定義、重要性、メリットを解説します。
ブランドストーリーとは、単なる企業情報や製品の羅列ではなく、企業の成り立ち、理念、ビジョン、そして社会にどのような価値を提供したいかという「物語」です。これは顧客や従業員の感情に深く訴えかけ、共感と信頼を育みます。
企業が何のために存在し、何を大切にしているのかを一貫したメッセージで伝えることで、単なる取引関係を超えた絆を構築する基盤となります。
現代は情報過多の時代であり、製品やサービスの機能的な差別化だけでは顧客の心をつかむことが難しくなっています。このような状況で、ブランドストーリーは企業独自のアイデンティティを確立し、他社との差別化を図る強力な手段のひとつです。
機能的価値だけでなく、企業の持つ情緒的価値や哲学を伝えることで、顧客は「何を売っているか」だけでなく「なぜ売っているか」に共感し、ブランドへの深い愛着を抱くようになります。
ブランドストーリーは、顧客エンゲージメントの向上、ブランド認知度の強化、そして他社との明確な差別化を行えるものです。顧客は製品やサービスだけでなく、その背景にある物語に共感し、長期的なロイヤルティを築きます。
また、従業員のモチベーション向上や一体感の醸成、さらには優秀な人材の採用力強化にも繋がります。企業文化の魅力を効果的に伝え、組織全体の持続的な成長を支援する多角的なメリットがあると言えるでしょう。
ブランドストーリーは採用競争力の強化、従業員定着率の向上、ミスマッチ防止に貢献する戦略的なアプローチです。その具体的な効果を見ていきましょう。
現代の採用市場では、給与や待遇といった条件面だけでなく、企業のパーパスや文化への共感が重視されます。ブランドストーリーは、企業の理念や働く意味を魅力的に伝え、候補者の感情に訴えかけます。
これにより、企業が目指すビジョンに共感する意欲的な候補者を引きつけ、単なる応募者ではなく、企業の未来を共に創る仲間としてのエンゲージメントを高めることが可能です。求人広告や面接でも、ストーリーを語ることで差別化できます。
ブランドストーリーは、入社前の候補者と企業との間に正しい期待値を形成し、入社後のギャップを減らす効果があります。企業が大切にしている価値観や働き方を明確に伝えることで、従業員は自身の仕事が企業の大きな物語の一部であると感じ、深い帰属意識とロイヤルティを育みます。
これにより、従業員は仕事に意味を見出し、エンゲージメントが高まるため、結果として離職率の低下と定着率の向上に繋がるでしょう。
採用プロセスにおいてブランドストーリーを活用することで、企業の本当の姿や価値観を候補者に深く理解してもらうことができます。これにより、企業文化や仕事内容に対する誤解を防ぎ、入社後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを防げます。
企業理念に心から共感し、その実現に貢献したいと考える人材を見極め、採用することで、組織全体の文化的なフィット感を高め、パフォーマンスの最大化に貢献するでしょう。
ブランドストーリーは、社内のインナーブランディングにおいても絶大な効果を発揮します。従業員が自社のストーリーを理解し、それに共感することで、企業の一員であることへの誇りや一体感が生まれます。
これは従業員のエンゲージメントとロイヤリティを高め、組織全体のパフォーマンス向上に直結するものです。従業員一人ひとりがブランドの「語り手」となることで、社内外に対して一貫したポジティブなメッセージを発信し、ブランド価値をさらに高めることができます。
ブランドストーリーは、単なる物語ではなく戦略的に構築すべきです。共感を呼び、ビジネス成果に繋がるブランドストーリー作成のための5つのステップと構成要素を解説します。
ブランドストーリーの出発点は、企業の「なぜ?」、つまり創業の想い、存在意義、社会に提供したい究極の価値(パーパス)を深く掘り下げることです。企業が何を目指し、どんな情熱を持っているのかを明確にすることで、ストーリーの核となる感情的なフックが生まれます。
例えば、「私たちは何のためにこの事業を始めたのか?」「どんな社会を実現したいのか?」といった問いかけを通じて、ブランドの根源的な動機を見つけましょう。
魅力的なストーリーは、語り手だけでなく聞き手の視点も重要です。誰に何を伝えたいのかを明確にし、そのターゲットオーディエンス(顧客や採用候補者など)が抱える悩み、願望、そして解決したい課題を深く理解することが不可欠です。
彼らが共感できるポイントや、ストーリーを通じて得たいと感じる価値を見極めることで、より響くメッセージを作成できます。ターゲットの視点に立つことで、一方的な情報提供ではなく、対話を生むストーリーが生まれます。
効果的なブランドストーリーには、伝統的な物語構造が持つ共通の要素が含まれます。一般的には、ブランド(またはその創業者が)「主人公」となり、特定の「目的」を持ち、それを達成する過程で「課題」に直面し、それを「解決」するための行動を起こし、最終的に「結果」として顧客や社会にもたらす価値を提示します。
例えば、「ヒーローの旅」のようなフレームワークを参考に、ブランドの歩みと提供価値を構造化して表現することが有効です。
ストーリーの骨格が固まったら、次に重要なのは、そのストーリーをどのように語るかという「語り口」と表現方法です。ブランドの個性や価値観を反映したトーン&マナー、言葉遣いを確立することで、ブランド独自の雰囲気を醸成します。
視覚的な要素(ロゴ、カラー、画像、動画)も、ストーリーの印象を大きく左右します。例えば、親しみやすさを重視するのか、権威性を前面に出すのかなど、ブランドのアイデンティティに合った表現方法を選ぶことで、より記憶に残り、心に響くストーリーが完成します。
ブランドストーリーは、一度作ったら終わりではありません。ウェブサイト、SNS、採用ページ、プレスリリース、製品パッケージ、そして社内コミュニケーションなど、顧客や従業員とのあらゆる接点(タッチポイント)で一貫したメッセージとして伝え続けることが重要です。
メッセージにブレがないことで、ブランドへの信頼感が増し、ブランド体験全体が強化されます。一貫性のあるストーリーテリングは、ブランドの認知度を高め、記憶に定着させる上で不可欠です。
ブランドストーリーは、作成後の組織浸透と成果が重要です。人事・採用担当者は、経営層の巻き込み、従業員を「語り手」にする方法、失敗回避、効果測定の戦略と解決策を必要とします。
ブランドストーリーの導入には、経営層の理解と承認が不可欠です。説得には、ブランドストーリーがもたらす具体的なビジネス効果(例:採用コスト削減、離職率低下、顧客エンゲージメント向上による売上貢献など)を数値で示すことが有効です。
長期的な視点での投資対効果や、競合との差別化戦略としての重要性を明確に伝え、経営層が重視する財務的なメリットや成長戦略に紐付けて提案することで、賛同を得やすくなります。成功事例の共有も効果的です。
ブランドストーリーを真に組織に浸透させるためには、従業員一人ひとりがそれを理解し、自身の言葉で語れるようになることが重要です。そのために、従業員向けワークショップの開催や、社内報、社内SNSを活用した継続的な情報発信が有効です。
また、ブランドアンバサダー制度を設け、ストーリーの魅力を率先して伝える従業員を育成することも効果的でしょう。従業員がブランドの価値を内面化し、日々の業務や対外的なコミュニケーションで自然に表現できるよう促すことが重要です。
ブランドストーリーが形骸化する主な失敗パターンとしては、実態と乖離した内容、メッセージの一貫性の欠如、一方的な押し付け、そして継続的な運用・更新の不足が挙げられます。これを回避するには、まずストーリーが企業の現状や実態に即しているか常に検証し、リアリティを保つことが重要です。
また、すべてのタッチポイントで同じメッセージを徹底し、従業員が共感し、自発的に語りたくなるような共創的なプロセスを取り入れることで、ストーリーは生きたものとして組織に根付きます。
ブランドストーリーの効果を測定するためには、具体的なKPIを設定し、定期的に効果を検証することが重要です。例えば、採用応募数の変化、内定承諾率の向上、入社後の従業員エンゲージメントスコア、初期離職率の低下、従業員アンケートにおけるブランド認知度や共感度の変化などが挙げられます。
これらの指標を追跡し、ブランドストーリーが採用力強化や従業員定着にどれだけ貢献しているかを可視化することで、改善点を見つけ、戦略を最適化できます。
有名企業がどうストーリーを構築し、顧客や従業員を惹きつけているか分析し、自社のストーリー作成に役立つ学びを紹介します。
例えば、Nikeは「Just Do It」というスローガンのもと、困難に立ち向かい、限界を超えるアスリートたちの物語を通じて、消費者に挑戦と自己実現のメッセージを伝えています。Starbucksは「サードプレイス」というコンセプトで、家でも職場でもない心地よい空間と、一杯のコーヒーに込められた物語を顧客に提供しています。
これらの企業は、単なる製品やサービスではなく、その背景にある哲学や顧客の感情に寄り添う物語を語ることで、深い共感を呼び、強固なブランドロイヤルティを築いています。
採用ブランディングに成功している企業は、自社のブランドストーリーを採用活動に巧みに活用しています。例えば、Googleは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」という壮大なミッションを掲げ、このパーパスに共感する人材を惹きつけています。
彼らは単に給与や福利厚生を提示するだけでなく、イノベーションを追求する文化や、社員の成長を支援する環境といった「物語」を伝えることで、優秀なエンジニアやクリエイターを獲得しています。自社の存在意義や働く価値を明確に伝えることが、採用成功の鍵となります。
ブランドストーリーの成功事例については、下記記事で詳しく解説していますので合わせてお読みください。
※関連記事:ブランドストーリーの事例から学ぶ!共感を呼ぶ作り方と実践のコツ
情報が溢れる現代において、企業が顧客や採用候補者、そして従業員の心に響き、深い共感を呼ぶためには、単なる製品やサービスの機能的な価値を伝えるだけでは不十分です。企業の根源的な「なぜ?」を問い直し、その情熱や理念を物語として紡ぎ出す「ブランドストーリー」こそが、企業と人材の未来を拓く鍵となります。
ブランドストーリーの力を信じ、実践することで、企業は新しい価値を創造し、共感の輪を広げ、未来を共に築く仲間と出会うことができるでしょう。貴社ならではの物語を通じて、人々と深く繋がり、輝かしい未来を切り拓いてください。
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