「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏と共同研究したサーベイ『ソラミドWell-being』を通して、次世代の自由でフラットな組織を模索する


組織の羅針盤となるMVVですが、いざ策定しようとすると「言葉が上滑りする」「浸透しない」という壁に直面します。
本記事では、数々の企業ブランディングを手掛けてきた当社・株式会社スカイベイビーズ監修のもと、失敗しないMVVの作り方を解説。創業期から変革期まで、フェーズ別の実践的な策定ステップと、絵に描いた餅にしないための運用のポイントを公開します。

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。
当社の「インナーブランディングサービス」の特長、料金例、提供サービスなどは下記のサービスページで詳しくご紹介しています。
MVVは「M→V→V」の順で策定するのが定石です。企業の根源である「存在意義」を定め、そこから「未来の目的地」、辿り着くための「行動指針」へと落とし込むことで、矛盾のない一貫した軸ができるからです。
最初に、企業の原点であり普遍的な軸となる「存在意義(Why)」を定めます。ここがブレると全てが崩れるため、最優先で決定します。
作り方は、創業者の原体験や「なぜこの事業をやるのか」「社会のどんな課題を解決したいか」を徹底的に掘り下げることから始めます。時代が変わっても揺らぐことのない、不変の想いを言語化しましょう。
次に、ミッションを追求した先に到達する「中長期的な未来像(Where)」を描きます。永遠のテーマであるミッションとは異なり、ビジョンは「いつまでに、どんな景色を見たいか」という具体的な到達点です。
3〜5年後、あるいは10年後の姿を想像し、社員や顧客がワクワクできるような、解像度の高い言葉や数値目標で定義します。
最後に、ビジョンを実現するために必要な「行動指針(How)」を定めます。目的地(ビジョン)が決まって初めて、最適な移動手段や装備(バリュー)が決まるからです。
日々の業務で判断に迷った時の基準となるよう、「推奨される行動」や「大切にしたい価値観」を洗い出し、現場が口に出して使いやすい具体的なフレーズに落とし込みます。
なお、MVVの作り方は「初めて策定する場合(0→1)」と「見直す場合(アップデート)」で、アプローチの仕方が異なるため、それぞれのフローを解説します。まずは初めて策定する場合のMVVの作り方からです。
創業期は合議制ではなく、創業者の原体験や強い想い(Passion)を言語化することに集中します。「誰に何と言われようと、これをやりたい」という熱量を核にするのがポイントです。
角の取れた綺麗な言葉より、多少荒削りでも記憶に残る、独自の言葉をトップダウンで紡ぎ出しましょう。
まずは創業者自身の内省から始めます。「なぜリスクを負ってまで起業するのか」「世の中の何に対する怒りや違和感が原動力か」を掘り下げましょう。この個人的な熱量(N=1の想い)を、社会的な価値(Mission)へと翻訳します。
綺麗なビジネス用語で飾る必要はありません。創業者の魂が宿った、嘘のない言葉であることが、初期の求心力を生む最大の鍵となります。
ミッションを遂行した先に、どのような世界を実現したいかを具体的に描きます。創業期は実績がないため、ビジョンの大きさ(風呂敷の広さ)が仲間や投資家を惹きつける武器になります。
「3年後に上場」「5年後に業界シェアNo.1」といった数値目標だけでなく、「このサービスが当たり前になった社会の風景」を映像としてイメージできるような言葉で定義しましょう。
創業者の分身となるような行動基準を定めます。まだ組織が小さいからこそ、「こういう人と働きたい」「これだけは許せない」という創業者の美学や好き嫌いをストレートに反映させましょう。
初期メンバーのカルチャーフィットを見極める採用基準としても機能するよう、抽象的な言葉ではなく「即断即決」「荒野を歩く」など、日々のスタンスが明確になる表現を選びます。
組織拡大や事業転換に伴う見直しでは、トップダウンだけでなく従業員を巻き込む「共創プロセス」が重要です。
創業の精神(過去)を継承しつつ、目指すステージ(未来)に合わせて言葉をアップデートします。納得感を醸成し、作って終わりではなく「使えるMVV」への進化を目指しましょう。
創業の精神に立ち返り、「変えてはいけないもの」を再確認します。多くの場合、ミッション自体は大きく変える必要はありませんが、事業領域が広がったことで定義が狭くなりすぎている場合は、表現を広げる調整を行います。
ここでは、古参社員と新入社員の意識のズレを埋め、全員が誇りを持てる「組織の共通項(最大公約数ではなく求心核)」を見つけ出す作業が中心となります。
見直しの最大のポイントです。現状の延長線上ではなく、非連続な成長に向けた「新しい目的地(山)」を再設定します。「なぜ今、変える必要があるのか」という危機感や背景ストーリーとセットで設計することが不可欠です。
現場のキーマンを交えたワークショップ等を実施し、現場の肌感覚と経営の意志(大局観)をすり合わせながら、全員がワクワクできる未来図を描き直します。
新しいビジョン(山)に登るために必要な「装備」や「歩き方」に見直します。昔は正解だった行動(例:個人の突破力)が、今は足かせ(例:チームワーク欠如)になっていないか診断します。
「形骸化している言葉」や「現状の課題」を洗い出し、これからの組織に必要な行動変容を促す言葉へ刷新します。現場で使われている「良い口癖」を拾い上げるのも、浸透を早める有効な手段です。
次に、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を策定するにあたってのポイントと注意点を、それぞれ分けて解説します。
ミッションは企業の心臓部であり、最も抽象度が高く、かつ永続的なものです。時代が変わってもブレない軸を作るための要点を押さえましょう。
最も重要なのは、主語を「我々は何を売る会社か」ではなく、「社会のどのような課題を解決する存在か」に設定することです。
自分たちの提供する技術やサービスは時代と共に変わりますが、根底にある「誰をどう救いたいか」という想いは100年経っても変わらない普遍性を持つべきだからです。
「優れた製品で社会に貢献する」といったフレーズは、どの企業でも言えてしまうため、結果として何も言っていないのと同じになってしまいます。「誰の、どんな痛みを、具体的にどう解決するのか」まで絞り込まなければ、その企業独自の存在意義は生まれません。
また、あれもこれもと詰め込みすぎて文章が長くなると、社員が暗唱できなくなります。一言で言い切るシンプルさを追求してください。
永遠のテーマであるミッションとは異なり、ビジョンは期限付きの目的地です。社員がワクワクし、そこへ向かうエネルギーが湧いてくるようなゴールを描く必要があります。
「業界No.1」といった抽象的な言葉だけでなく、「街中で自社サービスが当たり前に使われている風景」や「社員がどんな表情で働いているか」など、ありありとイメージできる言葉を選んでください。
また、今の延長線上にある確実な未来ではなく、背伸びをすれば届くかもしれないという「ストレッチゴール」を設定することで、組織のポテンシャルを引き出すことができます。
「売上100億円」はあくまで経営のマイルストーンであり、ビジョンではありません。ビジョンはその数字を達成した時に、社会や会社がどういう状態になっているかという定性的な姿を描くべきだからです。
また、ミッションと混同しないことも大切です。「世界平和」のような終わりのない旅はミッションであり、ビジョンは達成できたかどうかが判定できるゴール地点である必要があります。
バリューは、ビジョンという山頂に登るための装備であり、歩き方です。日々の業務で迷った時に、AかBかを決める判断基準として機能させなければなりません。
解釈がブレやすい名詞単体ではなく、具体的な行動を促す「動詞」や「命令形」にすることをおすすめします。例えば「誠実」という言葉一つでも、人によって捉え方は異なりますが、「バッドニュースこそ早く言う」と定義すれば行動は明確になります。
社内で既に使われている口癖や、創業者のユニークな発言を採用すると、その会社らしい手触り感のある共通言語となり、浸透が早まります。
人間が常に意識して行動できる数は3つ、多くても4つまでです。10個も並べてしまうと、結局どれも覚えられず形骸化してしまいます。本当に重要な要素だけに絞り込む勇気を持ってください。
また、「挨拶をする」「嘘をつかない」といった社会人として当たり前の道徳を掲げるのも避けましょう。それは企業の競争力の源泉にはなりません。あえて掲げるならば、その会社独自のニュアンスや強度を加える工夫が必要です。
「MVVを作ろう」と思い立っても、一朝一夕で完成するものではありません。 経営陣や従業員の納得感があり、かつ社外にも胸を張って発信できるクオリティの言葉を紡ぎ出すには、一般的に3ヶ月〜6ヶ月の期間を要します。
焦って短期間で作った言葉は、深みがなく、すぐに形骸化してしまうリスクがあります。「企業の憲法」を作るつもりで、腰を据えて取り組むスケジュールを確保しましょう。
MVV策定プロジェクトは、大きく分けて「発散(現状把握)」「収束(言語化)」「決定(仕上げ)」の3つのフェーズで進めます。
全社員へのアンケートやキーマンインタビュー、経営陣ヒアリングを徹底的に行い、創業時の熱い想いや現在の組織課題、現場が肌で感じている会社の強みなど、判断材料となる「生の言葉」を大量に収集します。
この段階では良し悪しを判断せず、ありのままの事実や感情を洗い出すことが重要です。後の工程で迷った際に立ち返るための、強固な議論の土台を作り上げる期間と言えます。
プロジェクトチームによる集中ワークショップを複数回重ね、集まった膨大な言葉の中から、これからの会社に必要なキーワードを選び抜きます。
過去から続くDNAと未来へ向かう意志をすり合わせながら、ミッション・ビジョン・バリューの骨子となる素案(プロトタイプ)を作成します。様々な視点をぶつけ合い、納得感のある言葉へと昇華させるための、最もエネルギーを要する収束のフェーズです。
作成した素案をもとに、プロのコピーライターなどを交えて文言の細部までこだわり、社員が口ずさみたくなるような「記憶に残る言葉」へと磨き上げます。
最終的な経営決定を行うと同時に、ロゴデザインの刷新や全社発表会の準備など、策定したMVVをどのように社員の心に届けるかという演出面も固めていきます。発表の瞬間を最大化させ、浸透へのスタートダッシュを切るための仕上げ期間です。
「社長一人で決めるべきか、社員全員で決めるべきか」という問いに正解はありません。企業の成長フェーズによって、最適な体制は異なります。
創業期は、創業者の「強烈な原体験」や「やりたいこと」そのものが企業の求心力です。
この段階で合議制にしてしまうと、角が取れた無難な言葉になり、スタートアップとしての鋭さが失われてしまいます。創業者が独断で決め、熱量を持って語りかけるスタイルが最も機能します。
ある程度組織ができあがっている場合、経営陣だけで決めると「現場を知らない上層部が勝手に決めた」という反発(やらされ感)を招きます。
各部署から信頼の厚いエース社員や、次世代を担う若手リーダーをプロジェクトに巻き込みましょう。彼らが策定プロセスに関わることで、決定後に彼ら自身が「伝道師(アンバサダー)」となり、現場への浸透スピードが格段に上がります。
優れたMVVとは、美しい言葉の羅列ではなく、組織の未来を拓く「覚悟」の言語化です。しかし、社内の視点だけで客観的な強みを見出し、納得感のある言葉を紡ぐのは至難の業。
「自社らしい言葉が見つからない」「策定の進め方に不安がある」場合は、数多くのブランディング支援実績を持つスカイベイビーズにご相談ください。あなたの会社の想いを、あなたの会社らしさを大切にしつつ「人が動く言葉」へと変えるお手伝いをします。
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