オウンドメディアリクルーティングの完全ガイド

オウンドメディアリクルーティングとは、企業が自社メディアを通じて求職者へ直接アプローチする採用手法であり、ミスマッチ防止や採用コストの資産化を実現する最適な解決策です。独自の魅力を継続して発信し、自社に最適な人材を惹きつけるためには以下の3点が不可欠となります。

  • ターゲットに合わせた適切なメディア選定
  • 加工されていないリアルな社内カルチャーの発信
  • 全社的な協力を伴う継続的な運用体制の構築

本記事は、数々の企業の採用支援や採用サイト制作を手掛ける株式会社スカイベイビーズの監修のもと、導入のメリットや具体的な始め方の手順をプロの視点で分かりやすく解説します。

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この記事の監修者
Masato Yasui

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。

オウンドメディアリクルーティングとは

オウンドメディアリクルーティングは、企業が自社メディアを軸に主体となって求職者へ直接アプローチする採用手法です。自社で情報の主導権を握ることで、より自社にマッチした人材を獲得できるようになります。

従来の採用サイトとの違い

従来の採用サイトとの決定的な違いは、発信する情報が動的であるか静的であるかという点にあります。従来の採用サイトは更新頻度が低い会社案内パンフレットのような存在ですが、オウンドメディアは自社のリアルな今を継続して発信し続ける雑誌のような役割を果たします。

情報を常にアップデートすることで、求職者は入社後の働く姿を具体的にイメージできるようになります。

項目従来の採用(求人広告・エージェント)オウンドメディアリクルーティング
情報の主導権求人媒体のフォーマットに従う自社で自由にデザイン・発信できる
ターゲット転職活動中の顕在層が中心潜在層から顕在層まで幅広くアプローチ
コスト構造掲載ごと・採用ごとに費用が発生(掛け捨て型)運用費はかかるが、コンテンツは資産として残る
マッチング条件面(給与・勤務地)が重視されがち企業の理念やカルチャーへの共感を生みやすい

活用される主な自社メディア

オウンドメディアリクルーティングで活用されるメディアは、採用サイトだけではなく多岐にわたります。求職者の検討フェーズやターゲットの属性に合わせて、複数の自社メディアを連携させることが成功の鍵となります。

具体的には、自社のコアな情報を格納する採用サイトのほかに、社員の本音を深掘りするnoteやブログ、技術力をアピールするテックブログ、リアルタイムの空気感を伝えるSNSなどがあります。

これらを網羅的に運用することで、求職者との接点を多角的に作ることができます。

オウンドメディアリクルーティングが必要とされる背景

オウンドメディアリクルーティングが多くの企業で求められるようになった背景には、採用市場の構造的な変化があります。求職者の行動変化と従来の採用手法の限界が、自社発信の必要性を高めています。

採用市場の売り手市場化

現在の採用市場が深刻な売り手市場であり、労働人口が減少していることが大きな要因です。優秀な人材の獲得競争が激化しているため、従来の求人広告に掲載するだけでは大企業の知名度に埋もれてしまい、求職者に自社を見つけてもらうことすら困難になっています。

知名度や資本力に頼らず、自社ならではの独自の魅力を直接求職者に届けて選んでもらうために、自社メディアによる情報発信が不可欠となっています。

求人広告への信頼性の低下

求職者が求人広告に書かれた定型文のような情報に対して、以前ほどの信頼性を見出せなくなっていることも背景にあります。SNSの普及により個人の発信が身近になった現代の求職者は、加工された綺麗な情報よりも、企業のリアルな一次情報を探しています。

オウンドメディアを通じて、社内の実際の雰囲気や課題、働く社員の生の声をありのままに伝えることで、求職者からの信頼を獲得できるようになります。

求人検索エンジンの台頭

『indeed』や『Googleしごと検索』といった、求人検索エンジンの普及が企業の自社発信を後押ししています。今の求職者は特定の求人媒体だけでなく、検索エンジンを使って職種やキーワードで直接仕事を検索する行動が定着しました。

検索エンジンは自社のWebサイトのコンテンツを直接インデックスして表示するため、質の高いオウンドメディアを自社で保有している企業ほど、求職者に発見されやすくなります。

オウンドメディアリクルーティングのメリットとデメリット

オウンドメディアリクルーティングの導入には、採用活動の質を高める大きなメリットがある反面、特有のデメリットも存在します。双方の特性を正しく理解することが、運用を成功させるための第一歩となります。

導入するメリット

オウンドメディアリクルーティングを導入するメリットは、採用の効率化だけでなく、長期的な企業のブランド価値向上に繋がる点にあります。具体的な4つのメリットを解説します。

採用ミスマッチの激減

オウンドメディアリクルーティングは、入社後の早期離職を防ぐために極めて有効な手法です。求人票だけでは見えない社内のリアルな雰囲気や、仕事の泥臭い部分まで包み隠さず発信できるため、価値観に共感した人材だけが集まります。

結果として、入社前後のギャップが解消され、ミスマッチによる離職者を大幅に減らすことができます。

条件競争からの脱却

給与や勤務地といった条件面での不毛な競争から抜け出すことができる点も大きなメリットです。自社の理念やカルチャーを深く発信することで、企業の姿勢そのものに魅力を感じる求職者を惹きつけることができます。

資本力のある大企業と条件面で競うことなく、自社に最適な人材を一本釣りできるようになります。

採用コストの資産化

発信したコンテンツが企業の恒久的な採用資産になるため、長期的な採用コストを削減できます。掲載期間が終われば消えてしまう求人広告とは異なり、自社サイトに蓄積された記事や動画は半永久的に求職者を口説き続けてくれます。

運用を続けるほど自然流入が増え、有料広告への依存度を下げることが可能になります。

転職潜在層へのアプローチ

今はまだ転職を考えていない転職潜在層に対して、早期からアプローチして関係性を築くことができます。日常的に役立つ情報や面白いコンテンツを発信し続けることで、自社のファンを増やせます。

将来的にその層が転職活動を始めた際、最初の選択肢として選ばれやすくなるという大きな強みがあります。

導入するデメリット

オウンドメディアリクルーティングには、運用の継続性やリソースの確保において、あらかじめ覚悟しておくべきデメリットがあります。

成果が出るまでの期間

成果が出るまでに最低でも半年から1年程度の長い期間が必要となる点がデメリットです。記事を公開してすぐにアクセスが集まるわけではないため、即効性を求める採用には向きません。

短期的には求人広告などの手法と併用しながら、中長期的な視点でじっくりとメディアを育てていく必要があります。

社内リソースの負担

メディアの企画や制作のために、社内の人員と時間を大きく割く必要がある点も課題です。人事担当者だけでなく、現場の社員にインタビューをしたり、記事の執筆や監修を依頼したりする工数が発生します。

全社的な理解と協力体制が得られない場合、運用の負担が一部の人間に集中して挫折する原因になります。

継続的な運用の難しさ

コンテンツを発信し続けるための、ネタ探しや運用のモチベーション維持が非常に難しいという側面があります。立ち上げ当初は盛り上がっても、数ヶ月で更新が途絶えてゴーストタウン化してしまう企業は少なくありません。

定期的に更新を続けるための仕組みや、編集体制の構築があらかじめ求められます。

オウンドメディアリクルーティングにおけるメディアの選び方

自社に合った適切なメディアを選ぶことは、オウンドメディアリクルーティングの成果を左右する重要な分岐点です。自社のターゲットと保有リソースを見極めることが求められます。

メディアを選ぶ4つの観点

メディアを選定する際は、単なる流行で選ぶのではなく、自社の状況に合致しているかを4つの異なる切り口から客観的に判断します。

ターゲットの生息地

採用したい理想の求職者が、普段どのメディアを頻繁に利用しているかを基準に選ぶ必要があります。20代の若手層であればInstagramやnote、エンジニア層であればQiitaやZenn、あるいはXといったように、ターゲットの年齢や職種によって集まる場所は異なります。

ターゲットが存在しないメディアで発信を続けても、求職者には届きません。

自社の強みの表現形式

自社がアピールしたい魅力が、どのような表現形式と最も親和性が高いかを見極めることが大切です。社内の活気ある雰囲気や働く人の表情を直感的に伝えたい場合は、写真や動画が生きるInstagramやYouTubeが適しています。

一方で、経営理念やビジネスの深い魅力を論理的に語りたい場合は、テキスト主体のnoteやブログが有効です。

社内の運用リソース

自社の中にどの程度の制作スキルや時間を確保できる人材がいるかという、現実的なリソースから逆算します。文章を書くことが得意な社員がいればnoteやブログから始めるのが現実的であり、動画編集スキルや外注予算がなければYouTubeへの参入は避けるべきです。

無理のない範囲で始められるメディアを選ぶことが継続への近道です。

ストック型とフロー型の組み合わせ

情報が蓄積されるストック型と、拡散力のあるフロー型のメディアをそれぞれ1つずつ組み合わせて運用することが推奨されます。自社サイトやnoteのようなストック型は検索に強く、資産として残る性質があります。

XやInstagramのようなフロー型は、最新の情報を素早く拡散して認知を広げることに長けています。

メディア選定で最も重視すべき要素

メディア選定において最も重視すべき要素は、ターゲットの生息地と自社の運用の継続性が交わる一点です。どれほど効果的なメディアであっても、自社が継続して更新できなければ採用活動において逆効果を招くリスクがあります。

迷った場合は、初期費用がかからず検索にも強いnoteを本丸とし、拡散用のXやInstagramを組み合わせる王道のセットから開始することをおすすめします。

オウンドメディアリクルーティングの始め方の手順

オウンドメディアリクルーティングを軌道に乗せるためには、事前の準備から検証にいたるまで、正しい順序でステップを踏む必要があります。

ターゲットと自社の魅力の再定義

最初のステップとして、求める人物像であるペルソナと、自社が提供できる独自の魅力を明確に定義します。現場のリーダーや最近入社した中途社員にヒアリングを行い、なぜ自社を選んだのかという生の声を集めることが効果的です。

人事だけで抱え込まずに、客観的な視点から自社のリアルな強みを言語化する土台作りを行います。

コンセプト設計とメディア選定

次に、明確になったターゲットに響くメディア全体の共通テーマと、使用する器を決定します。発信の軸がブレないようにするための合言葉となるコンセプトを設定し、そのコンセプトを表現するのに最適なメディアを選びます。

自社が無理なく続けられ、かつターゲットに確実に届くメディアを絞り込む作業です。

運用体制とガイドラインの構築

属人化を防ぎ、継続して発信するための具体的な社内体制と運用ルールを構築します。メインの担当者である編集長を1名決定し、各部署から協力を得られる巻き込み体制を整えます。

スケジュール管理のためのカレンダー作成や、炎上を防ぐための公開前チェックフローなどのガイドラインもこの段階で整備します。

コンテンツの制作とテスト運用

メディアを一般に公開する前に、あらかじめ複数のコンテンツを制作してテスト運用を行います。代表メッセージや社員の一日のスケジュールなど、見ごたえがあると感じられるコンテンツを最低でも3本から5本は事前に準備します。

社内メンバーに一度読んでもらい、読みやすさや内容の修正を行った上で本番に臨みます。

本番運用と効果検証

メディアを一般公開した後は、定期的な発信スケジュールを維持しながら、効果検証を繰り返します。単にアクセス数などの数値を追うだけでなく、面接に来た求職者が記事を読んでくれているかといった採用の質に直結する成果を測ります。

求職者の反応を見ながら、コンテンツの内容や発信方法を継続的に改善していきます。

オウンドメディアリクルーティングに関するまとめ

Q:従来の採用サイトとの違いは何ですか?

A:一度作ったら更新しない静的なサイトとは異なり、自社のリアルな今を継続して発信し続ける動的なメディアである点が異なります。

Q:メディア選定で最も重視すべき要素は何ですか?

A:採用したいターゲットが普段から利用している生息地であり、かつ自社が無理なく運用の継続ができるメディアを選ぶことです。

自社に合ったメディアの選定や、継続的なコンテンツの運用体制づくりに悩んだら、業界や規模を問わず採用サイト制作を手掛ける株式会社スカイベイビーズにご相談ください。

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※なお、スカイベイビーズの採用サイト制作サービスページはこちらです。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

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