「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏と共同研究したサーベイ『ソラミドWell-being』を通して、次世代の自由でフラットな組織を模索する


昨今の採用難により、多くの企業が「インナーブランディング」による「採用」強化に注目しています。求人広告に頼るだけでは人材確保が難しい今、なぜ社内への理念浸透が採用成功の鍵となるのでしょうか。
本記事では、インナーブランディングが採用に与える影響や成功事例、注意点を解説します。

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。
当社の「インナーブランディングサービス」の特長、料金例、提供サービスなどは下記のサービスページで詳しくご紹介しています。
インナーブランディングは単なる社内活性化策ではありません。採用活動においては、定着率向上、母集団形成、ミスマッチ防止という3つの強力なメリットを生み出します。
ここではその理由を詳しく解説します。
採用活動を水汲みに例えるなら、組織は「バケツ」です。インナーブランディングが不足し、価値観が共有されていない組織は、人間関係の軋轢などが起きやすく「穴の空いたバケツ」状態と言えます。
この状態では、いくら採用(水)を注いでも、すぐに早期離職(水漏れ)してしまいます。理念浸透によって「この会社で働く意義」を共有し、バケツの穴を塞ぐことこそが、採用した人材の定着率を劇的に高めるための必須条件です。
組織への愛着(エンゲージメント)が高い社員は、自発的に自社の魅力を語るようになります。「うちの会社いいよ」と友人を誘うリファラル採用が活性化したり、SNSでポジティブな発信が増えたりと、全社員が強力な「リクルーター」へと変わります。
人事担当者だけで採用を行うのではなく、現場社員全員を味方につけることで、コストをかけずに信頼性の高い母集団形成が可能になります。
採用広報(アウターブランディング)でどんなに魅力を伝えても、実際の社内(インナー)の雰囲気が異なれば、求職者は敏感に察知します。面接時の違和感や、入社後の「話が違う」という失望は、辞退や早期離職の主因となります。
外への発信メッセージと、中の実態を一致させる(言行一致させる)ことで、入社後のリアリティショック(幻滅)を防ぎ、納得感の高い採用を実現できます。
従来は「求職者(外)」へのアピールが優先されがちでしたが、本質的な採用活動では「まず社員(中)」を固めることから始めます。中身が整っていないのに外見だけ飾る「化粧」ではなく、ありのままの魅力を磨く「素肌」のアプローチが重要です。両者の違いを整理しました。
| 項目 | 従来のアプローチ(採用広報のみ) | インナーブランディング重視のアプローチ |
| ターゲット | 求職者(外)だけを見る | まず社員(中)を固め、それが外へ溢れ出る |
| メッセージ | 「良く見せる」ための化粧 | 「ありのままの魅力」を伝える素肌 |
| 求職者の反応 | 「本当かな?」と疑う | 「この人たちと働きたい」と共感する |
| 結果 | 応募数は増えるが、離職も多い | マッチ度の高い人材が集まり、定着する |
このように、社内の熱量を高めて「内側」を整えることこそが、結果として最強の採用広報となります。では実際に、このアプローチで採用難を乗り越え、組織を強化した企業の成功事例を見ていきましょう。
インナーブランディングの徹底が、結果として「採用に強いブランド」を築き上げた代表的な3社を紹介します。各社とも、社内の熱量を高めることで、採用コストの削減やマッチ度の高い人材獲得を実現しています。
なお、ここでご紹介している以外にもインナーブランディングに成功した企業の事例は数多くあります。詳しくは下記記事をお読みください。
※関連記事:インナーブランディング成功事例15選!失敗しない実践ガイドと効果測定のコツ
かつて30%を超えていた離職率を、制度改革や対話の場(「あした会議」など)を通じて一桁台にまで改善させました。「使い捨て」というイメージを払拭し、「長く働いて成長できる環境」という実態を作ったことで、学生からの人気が不動のものとなりました。
社内の定着率向上が、そのまま採用ブランドの信頼性向上に直結した好例です。
「働きがいのある企業ランキング」で常に上位に位置する同社は、「Will-Can-Must」シートなどで個人の意志を徹底的に尊重する風土があります。
社員が主体的に働く姿そのものが強力なコンテンツとなり、リクルーターが説得せずとも「ここで成長したい」と願う優秀な起業家精神を持った人材が自然と集まるサイクルが完成しています。
異なる文化を持つ3社の統合時、「これからの食卓、これからの畑」という共通の理念を浸透させることで組織崩壊を防ぎました。
単なる条件ではなく「食の社会課題解決」というミッションに深く共感する人材を採用できるようになり、テック系人材など採用難易度の高い層からも選ばれる強い組織へと進化しています。
「採用のため」という動機は正当ですが、進め方を誤ると既存社員の心が離れ、逆効果になるリスクがあります。採用担当者が陥りやすい3つの落とし穴と、それを回避するためのポイントを解説します。
「採用のためにSNSで発信して」と一方的に依頼すると、社員は「自分たちは客寄せパンダか」と不信感を抱きます。目的はあくまで「既存社員が働きやすく、誇れる会社にすること」に置くべきです。
社員自身の満足度が高まった結果として、自然と良い口コミや協力姿勢が生まれる順番を間違えてはいけません。
社内に課題があるにもかかわらず、「風通しが良い」「アットホーム」といった聞こえの良い言葉で飾り立てるのは危険です。「現場を知らない人事が綺麗事を言っている」と社内の対立を生むだけでなく、入社後のリアリティショックを招きます。
未完成な部分も含めて正直に伝え、一緒に解決してくれる仲間を募る姿勢が信頼を生みます。
人事が主導でポスター掲示やイベントを行っても、現場が「忙しいのにまた何か始まった」と冷めていては意味がありません。企画段階から現場の影響力あるキーマンを巻き込み、「現場主導」の空気を作ることが不可欠です。
現場社員が「自分たちの活動」と認識して初めて、採用候補者に熱量が伝わります。
インナーブランディングは、一時的に見た目を良くする「化粧」ではなく、組織の健康状態を良くする「体質改善」です。即効性のある応募数増加だけを追うのではなく、半年、1年とかけて「社員が自社を語れる状態」を作る覚悟が必要です。
この体質改善こそが、採用コストを下げ、定着率を高める最も確実な投資となります。
採用活動において、小手先のテクニックよりも重要なのは「組織の健やかさ」です。社員が生き生きと働き、その熱量が外へ溢れ出たとき、企業は自然と人を惹きつける磁力を持ちます。
「内側を固めること」こそが、採用難の時代における唯一にして最強の採用戦略なのです。
自社の「自然体」を引き出すブランディングサービスはいかがですか?
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