「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏と共同研究したサーベイ『ソラミドWell-being』を通して、次世代の自由でフラットな組織を模索する


内定辞退が発生しやすい時期は新卒採用と中途採用で大きく異なります。新卒は採用スケジュールに応じた季節性があり、中途は内定提示後のプロセスに連動するためです。
採用担当者にとって内定辞退のピーク時期や傾向を正確に把握することは、年間の採用計画を成功させるための極めて重要な課題となります。
この記事では、株式会社スカイベイビーズの監修のもと、企業の規模や業種ごとに異なる内定辞退のタイミングと、それを未然に防ぐための具体的なフォロー対策をプロの視点から分かりやすく解説します。
時期に応じた適切なアプローチを学び、内定者の入社意欲を高めて辞退を防ぐ仕組みづくりにぜひお役立てください。
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株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。
新卒採用で内定辞退が最も多い時期は7月から9月にかけての夏場です。しかし近年は通年採用化が進み、注意すべき時期は年間で4回あります。
まずは全体の波を把握するために、時期ごとの特徴を一覧表にまとめました。
| 時期 | 主な特徴 |
| 4月〜5月 | 早期内定者の心変わり |
| 7月〜9月 | 他社出揃いによる最終比較 |
| 9月後半 | 内定式直前の駆け込み辞退 |
| 11月・1〜3月 | 公務員合格や入社ブルー |
春先に発生する内定辞退は、インターンシップなどを経て早期に内定を獲得した学生によるものです。早くに内定を確保したものの、本命企業の選考が本格化するこの時期に気持ちが揺らぐことが原因です。
たとえば、4月に大手企業の面接が始まると、キープしていた中小企業の内定を辞退するケースが目立ちます。そのため、早期内定者に対しては選考終了まで定期的な接触を続ける必要があります。
新卒採用において最も内定辞退が多発するのは7月から9月の時期です。大手や有名企業の選考が一通り落ち着き、学生の手元に複数の内定が出揃うためです。
学生は持ち駒を並べて本当に進むべき1社を最終決定し、それ以外の企業へ一斉に辞退連絡を入れ始めます。この最大の山場を乗り切るには、他社の内定状況をそれとなくヒアリングし、自社の強みを再アピールすることが不可欠です。
9月後半は、10月1日の内定式を前にした駆け込み辞退が増える時期です。内定式に出てしまったらもう後戻りできないという心理的プレッシャーが学生に働くためです。
企業側が内定承諾書や提出書類の準備を急がせることで、学生は最終決断を迫られます。内定式直前の辞退を防ぐためには、書類提出を求めるだけでなく、不安を解消するための個別面談を直前に組むことが効果的です。
秋口にあたる11月は、公務員や教員試験の結果発表に伴う辞退が発生します。公務員試験の合格発表は民間企業のスケジュールより遅いため、滑り止めとして民間企業の内定を保持していた学生が動くためです。
特に地方自治体やインフラ企業との併願者が多い業界では、この時期に突然の欠員が出やすくなります。内定者のなかに公務員志望者がいないか、事前の確認が欠かせません。
年明けから入社直前にかけての時期は、精神的な不安による辞退が発生しやすい傾向にあります。卒業を間近に控え、本当にこの会社でやっていけるのだろうかという不安に陥るためです。
また、稀に単位不足による留年が発覚して辞退せざるを得なくなるケースもこの時期に集中します。入社直前の辞退は追加募集が難しいため、研修の案内などを通じて社会人になる期待感を高めるフォローが重要です。
新卒の学生が内定を辞退する理由は、単に他社の方が魅力的だったという動機だけではありません。周囲の環境や選考中の体験など、複合的な要因が絡み合っています。
ここでは、辞退が多い時期に特によく見られる3つの主な理由について詳しく解説します。
内定辞退の最も直接的な理由は、他社からより志望度の高い内定を獲得したことです。就職活動が進むにつれて、当初は視野に入れていなかった大手企業や有名企業との接点が増え、志望度が変化するためです。
実際に、最初はベンチャー企業を志望していた学生が、夏以降に大手の内定を得て辞退する例は後を絶ちません。競合他社に勝る自社ならではの成長環境や社風を、選考を通じて伝え続けることが対策となります。
近年増加しているのが、親や家族からの反対を受けて内定を辞退する親ブロックという現象です。学生自身は入社を希望していても、知名度や安定性を重視する親の意見を無視できずに辞退を選んでしまいます。
特にベンチャー企業や知名度の低い企業がこの影響を受けやすい傾向にあります。内定を出す段階で、家族への説明状況を確認したり、保護者向けのパンフレットを送付するなどの配慮が求められます。
選考プロセスのなかで企業への印象が悪くなり、内定辞退に至るケースも少なくありません。面接官の威圧的な態度や、連絡の遅さ、不透明な選考基準などを目の当たりにすることで、学生の不信感が募るためです。
どれだけ魅力的な事業を行っていても、選考中の体験が悪いと入社意欲は一気に冷めてしまいます。選考に関わるすべての社員が企業の顔であるという意識を持ち、丁寧なコミュニケーションを徹底することが大切です。
中途採用における内定辞退は、カレンダーの月よりも内定提示後の選考プロセスに連動して発生します。特に注意すべきは、内定提示から入社直前に至るまでの3つのタイミングです。
まずは時期ごとの特徴を一覧表にまとめました。
| タイミング | 主な特徴 |
| 内定提示〜1週間以内 | 条件面のミスマッチによる承諾前辞退 |
| 内定承諾後〜2週間 | 現職からの強力な引き止めに遭う退職交渉期 |
| 入社2週間前〜直前 | 新しい環境への不安による転職ブルー |
中途採用で最初の辞退ピークは、内定を提示してから回答期限となる1週間以内の時期です。他社と天秤にかけている場合や、提示された条件が事前の期待値とズレており承諾に至らないためです。
たとえば、面接時に希望していた年収やポジションと、実際の提示内容に乖離があると求職者は辞退を選びます。これを防ぐには、最終面接の段階で希望条件を細かくすり合わせ、ギャップをなくしておくことが重要です。
中途採用において最も警戒すべきなのは、内定承諾後から2週間ほどの退職交渉時期です。現職に退職の意向を伝えた際、上司から強烈な引き止めに遭うケースが多発するためです。
具体的には、昇給や希望部署への異動を打診され、義理や安定を選んで承諾を覆してしまう求職者が後を絶ちません。承諾後も連絡を絶やさず、退職交渉の進捗をこまめにヒアリングして伴走することが決定打となります。
入社を2週間後に控えた直前の時期も、土壇場での辞退が発生しやすいタイミングです。現職の引き継ぎで精神的に疲弊したり、新しい環境への恐怖から転職ブルーに陥るためです。
実際に、本当にこの会社で通用するのだろうかという不安がピークに達し、やっぱり現職に留まりますと辞退される事例があります。直前の辞退は採用計画に大きな打撃を与えるため、懇親会の実施などで入社への不安を和らげるフォローが必要です。
内定辞退が発生する時期は、企業の規模によって大きな差が見られます。採用市場のピラミッド構造において、自社がどのような立ち位置にあるかで警戒すべきタイミングが変わるためです。
ここでは規模ごとの違いを一覧表にまとめました。
| 企業規模 | 内定辞退が多い時期の傾向 |
| 大手・有名企業 | 選考スケジュールの後半である7月以降や10月直前に集中する |
| 中小・ベンチャー企業 | 大手の選考進捗に伴い、春から夏にかけてドミノ辞退が起きる |
大手や有名企業における内定辞退は、選考スケジュールの後半である7月以降や10月直前に集中する傾向があります。選考時期自体が後ろに寄る傾向があり、かつ大手同士で贅沢な比較検討が行われるためです。
たとえば、複数の有名企業から内定を得た求職者が、10月の内定式を前に最終的な1社を絞り込む際に辞退が発生します。知名度が高くても安心せず、自社への入社熱意を高めるための個別フォローを継続することが求められます。
中小企業やベンチャー企業では、春先の4月から6月、精度夏場の7月から8月にかけて辞退がドミノ倒しのように一気に押し寄せます。大手に先んじて早期に内定を出したものの、求職者から大手企業のすべり止めとしてキープされやすいためです。
実際に、夏以降に大手企業の選考結果が出揃った瞬間、それまで繋ぎ止めていた内定者から一斉に辞退連絡が入るケースが目立ちます。早期内定に安心せず、他社の選考状況を正確に把握しておく必要があります。
業種によって選考のスピードや業界の商習慣が異なるため、内定辞退が発生しやすい時期も変わります。自社の業種特性を理解しておくことで、辞退の波を事前に予測しやすくなります。
まずは各業種における辞退ピークの傾向を一覧表で確認しましょう。
| 業種 | 内定辞退が多い時期の傾向 |
| 外資系・IT・コンサル | 前年冬から3月にかけての超早期 |
| 公務員・インフラ・伝統的メーカー | 8月から11月にかけての晩期 |
| Web・クリエイティブ | 内定提示から数日以内の短期決戦 |
| 製造・金融・医療・建設 | 内定承諾後から退職交渉中の時期 |
外資系やIT、コンサルティング業界では、前年の冬から3月にかけての超早期に内定辞退が発生しやすいです。これらの業界は一般的な日系企業よりも選考スケジュールが非常に早く動いているためです。
たとえば、冬の時点で内定を確保した優秀な学生が、春以降に日系トップ企業やさらに条件の良い同業他社の内定を得て辞退するケースがあります。そのため、早期に内定を出した後も入社まで繋ぎ止めるための継続的な動機付けが必要です。
公務員やインフラ、伝統的なメーカーを志望する層では、秋以降の11月頃に内定辞退が起きやすくなります。公務員試験や一部のインフラ企業の選考結果が出るのが、夏から秋にかけての遅い時期になるためです。
民間企業で内定を保持したまま秋まで選考を続け、公務員の合格が決まった瞬間に辞退の連絡を入れる学生が一定数存在します。他業界の企業にとっては予測しにくいゲリラ的な辞退となるため、事前の併願状況の確認が重要です。
Webやクリエイティブ業界の中途採用では、内定を提示した直後の数日間が最も辞退されやすいタイミングです。この業界は転職市場の流動性が高く、求職者が常に複数の企業を同時並行で受けているためです。
内定を出してから他社の選考結果を待つ間に、より条件の良い企業やスピード感のある企業に求職者を奪われてしまいます。競合に競り勝つためには、内定提示から承諾までの期間をできるだけ短くするスピード対応が求められます。
製造、金融、医療、建設などの歴史がある業界や専門性の高い業界では、内定承諾後の退職交渉期に辞退が発生しがちです。具体的には、上司に退職願を受理してもらえなかったり、引き止めに遭って情に流され、承諾を覆すケースが頻発します。
承諾後も求職者を一人にせず、退職交渉の進め方を一緒に考えてサポートすることが不可欠です。
内定辞退が多い時期を乗り切るためには、内定を出した後のフォローを仕組み化することが重要です。新卒と中途では求職者の抱える不安の性質が異なるため、それぞれに合わせたアプローチが必要になります。
ここからは、具体的な2つのフォロー方法について解説します。
新卒の辞退を防ぐためには、学生特有の不安や周囲の影響を解消するアプローチが有効です。内定者の状況に合わせた2つの具体的なフォロー方法を解説します。
学生の入社意欲を維持するためには、内定後も定期的な面談を実施して接触回数を増やすことが効果的です。内定から入社までの期間が長い新卒採用では、放置されることで本当にこの会社でいいのかという不安が生まれやすいためです。
たとえば、月に1回程度のオンライン面談を行い、就職活動の状況や入社に向けた準備の相談に乗ることで信頼関係を築けます。対話を重ねて不安を一つずつ潰していくことが、夏以降の他社流出を防ぐ最大の抑止力になります。
家族の反対による辞退を防ぐためには、早い段階で保護者の同意を得るオヤカクの導入が必要です。学生自身が入社を強く希望していても、知名度や安定性を気にする親の一言で意思決定が覆るケースが増えているためです。
具体的には、内定承諾書と一緒に保護者向けの企業説明資料やメッセージを送付し、安心してもらう工夫が挙げられます。親の信頼を得ることで、入社直前の予期せぬ辞退リスクを大幅に軽減できます。
中途採用の辞退防止では、現職の退職から入社までのプロセスをいかにスムーズに進めるかが鍵となります。転職者が直面するハードルを乗り越えるための2つの対策を解説します。
中途採用で最も重要なフォローは、現職との退職交渉に対して企業側がしっかりと伴走することです。内定承諾後に現職の上司から強い引き止めに遭い、精神的に参って転職を断念してしまうケースが非常に多いためです。
たとえば、引き止めに遭った際の具体的な切り返し方や、法律的な退職の進め方についてアドバイスを提供することが有効です。求職者の味方として相談に乗り続けることで、現職に流されることなく入社へと導くことができます。
内定承諾から入社日までの期間は、こまめな進捗ヒアリングを欠かさないことが大切です。現職の引き継ぎ業務が難航して入社へのモチベーションが下がったり、新しい環境への不安が募ったりするためです。
週に1回程度、メールや電話で引き継ぎの状況を尋ねたり、入社に向けた手続きの案内を行ったりして接触を維持します。求職者を孤立させず、歓迎している姿勢を伝え続けることで、直前の転職ブルーによる辞退を防げます。
内定辞退のリスクを完全にゼロにすることは難しいため、発生した後のリカバリーと分析が重要になります。辞退が出た原因を突き止め、次の採用プロセスへ活かすための改善手順を解説します。
なお、より詳しい内容は下記記事で解説していますので合わせてお読みください。
※関連記事:内定辞退を防止する効果的な対策とは?優秀な人材を獲得する採用活動のポイント
内定辞退が起きた際は、その理由を深く分析して採用活動全体のブラッシュアップに繋げることが不可欠です。具体的なアプローチとして、本音を引き出す工夫と社内でのデータ共有の2つのステップを進めます。
辞退の本当の理由を知るためには、辞退者に対してアンケートやヒアリングを丁寧に実施することが最優先されます。建前の理由ではなく本音を抽出することで、自社の選考プロセスのどこに問題があったのかが明確になるためです。
たとえば、他社の方が魅力的だったという回答の裏にある、具体的な条件面や面接官の印象などの詳細を聞き出します。辞退者の声を真摯に受け止めることが、翌年以降の辞退防止に向けた貴重な改善データとなります。
集まった辞退理由は個人の問題とせず、採用チーム全体で共有して選考プロセスをアップデートすることが重要です。データを組織で共有することで、面接の基準や内定者フォローの方法を一丸となって見選ぶことができるためです。
実際に、辞退理由の傾向から内定提示のタイミングを早めたり、フォロー面談の回数を増やしたりして成果を上げた企業もあります。分析結果を次のアクションへ迅速に反映させることが、採用活動全体の成功率を高めます。
A:他社の内定が出揃い最終比較を行う7月から9月が最も多い時期です。
A:現職からの強力な引き止めに遭いやすい内定承諾後から2週間の退職交渉期です。
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※なお、スカイベイビーズの内定者フォロープログラム企画サービスページはこちらです。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
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