内定辞退メールへの企業側の正しい返信方法と好印象を残すテンプレート

内定辞退メールへの返信対応は、1営業日以内に迅速に受け入れ、選考へ進んでくれたことへの感謝と今後の活躍を祈る誠実なメッセージを送ることが重要です。別れ際の対応一つで、企業の採用ブランディングを高めることもできれば、ハラスメントとしてSNSで炎上するリスクを招くこともあります。

本記事では、求職者に好印象を残す返信の鉄則や状況別のメールテンプレート、法的な注意点について解説します。

この記事は、多くの企業の採用ブランディングを手掛ける株式会社スカイベイビーズが監修しています。内定辞退を次の採用成功へ繋げるための具体的なノウハウを、プロの視点から分かりやすくご紹介します。

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この記事の監修者
Masato Yasui

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。

企業側が内定辞退への返信を重視すべき理由

内定辞退への返信は、企業の未来を左右する重要な顧客接点です。単なる事務手続きとして片付けるのではなく、丁寧に対応することで会社に大きなメリットをもたらします。

重視すべき具体的な理由について、2つの視点から解説します。

企業の採用ブランディングへの好影響

内定辞退への丁寧な対応は、企業の採用ブランディングを向上させるために不可欠です。なぜなら、現代はSNSや口コミサイトを通じて、企業の選考対応が瞬時に外部へ拡散される時代だからです。

辞退を申し出た求職者に対して誠実で温かい返信を行うと、企業の好印象な評判が広がりやすくなります。結果として、潜在的な求職者層に対して自社の魅力をアピールすることに繋がり、将来的な採用活動を有利に進めることができます。

将来的なアルムナイ採用への繋がり

内定辞退者と良好な関係を維持することは、将来のアルムナイ採用やビジネスパートナーとしての接点を生み出すきっかけになります。一度は自社に魅力を感じて選考を進んだ人材であるため、他社で経験を積んだ後に即戦力として戻ってくる可能性があります。

実際に、辞退時の対応が良かった企業へ数年後に再応募し、入社して活躍するケースは少なくありません。目の前の辞退を拒絶せず、未来の資産に変える視点を持つことが大切です。

企業側が内定辞退メールに返信する際の鉄則

求職者に不快感を与えず、むしろ好印象を持ってもらうためには、返信における共通のルールを守る必要があります。人事担当者が必ず意識すべき4つの鉄則について、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

鉄則意識すべきポイント
迅速な返信スピード1営業日以内に返信し、相手の心理的負担を減らす
求職者の決断への理解キャリアの決断を否定せず、前向きに応援する
選考への感謝の表明応募や面接に時間を割いてくれたことへお礼を言う
今後の関係性を残す一言将来のビジネスパートナーとなる可能性を考慮する

迅速な返信スピード

内定辞退の連絡には、1営業日以内に迅速に返信することが最も重要です。求職者は気まずさや申し訳なさを抱えながら連絡をしてきているため、素早い対応が相手の心理的負担を軽減するからです。

例えば、連絡を受けてから数時間以内に承認のメールを送ることで、企業の器の大きさと誠実さを伝えることができます。対応を後回しにせず素早く決断を受け入れる姿勢が、企業への信頼感を高める第一歩となります。

求職者の決断への理解

求職者が他社を選んだという決断に対しては、深い理解と尊重を示す必要があります。自社の内定を辞退されたからといって否定的な態度をとると、企業の品格を疑われてしまうからです。

本人が悩み抜いた末に出した結論であることを受け止め、その前向きなキャリアの選択を応援するスタンスを文章で表現してください。相手の選択を尊重する姿勢こそが、別れ際における企業の評価を決定づけます。

選考への感謝の表明

これまでの選考に時間と労力を割いてくれたことへの感謝を、必ず言葉にして伝えてください。数ある企業の中から自社に興味を持ち、応募してくれた事実は非常に貴重だからです。

履歴書の作成や複数回にわたる面接への参加など、求職者が費やしてくれた努力に対して真摯にお礼を述べます。感謝の気持ちを伝えることで、辞退という結果であっても、お互いにとって有意義な時間だったという印象を残せます。

今後の関係性を残す一言

メールの締めくくりには、将来的なつながりを示唆する一言を添えるのが鉄則です。今回は縁がなかったとしても、将来的にビジネスの現場で出会う可能性は十分にあります。

またいつか何らかの形でご縁がございましたら、その際はどうぞよろしくお願いいたしますといった一文を添えます。未来の可能性を閉ざさない表現を入れることで、良好な関係を保ったままやり取りを終えられます。

【状況別】企業側の内定辞退への返信メールテンプレート

内定辞退への返信は、相手との関係性や自社の状況に応じて文面を使い分けることが効果的です。標準的な対応から、優秀な人材へのアプローチ、引き留めを試みる場合まで、実務でそのまま活用できる3つのメールテンプレートを紹介します。

標準的な辞退に対する返信

一般的な内定辞退に対しては、誠意を示しつつスマートに受け入れる文面が基本となります。相手に気まずさを残さず、企業の品格を示すための具体的な返信例を解説します。

誠実で好印象を残す返信文面例

件名:内定辞退のご連絡を拝受いたしました(株式会社〇〇 氏名)

本文:

求職者氏名様

お世話になっております。株式会社〇〇の氏名です。

この度は内定辞退のご連絡をいただきありがとうございました。

ご希望に添えなかったことは大変残念ですが、熟考のうえで出された決断であることを尊重し、真摯に受け止めさせていただきます。

選考を通じて貴重なお時間を共有できましたことに心より感謝申し上げます。

末筆ではございますが、新天地での益々のご活躍を社員一同お祈り申し上げます。

優秀な人材への返信

将来的に自社へ戻ってくる可能性を残したい優秀な人材には、特別な配慮を加えた返信が有効です。相手の強みを評価し、将来的なキャリアの選択肢として自社を印象づける文面例を紹介します。

将来の再応募に繋げる返信文面例

件名:内定辞退の件、承知いたしました(株式会社〇〇 氏名)

本文:

求職者氏名様

お世話になっております。株式会社〇〇の氏名です。

内定辞退のご連絡を拝受いたしました。

選考を通じて氏名の卓越したスキルや熱意に触れ、当社の未来に不可欠な人材だと確信していたため、今回のお返事は非常に残念でなりません。

しかし、前向きな決断を快く応援いたします。

ビジネスの世界は狭いものですので、数年後に成長した姿でまた一緒に働く機会がございましたら、その際はぜひよろしくお願いいたします。

今後のご活躍を心より応援しております。

再考を促したい場合の返信

どうしても入社してほしい人材に対しては、条件面の再調整を視野に入れた引き留めの文面を送ることが可能です。相手の決断を尊重しつつも、自社の熱意を最大限に伝えるための具体的な文面例を紹介します。

条件面の再交渉を行う引き留め文面例

件名:内定辞退のご連絡について(株式会社〇〇 氏名)

本文:

求職者氏名様

お世話になっております。株式会社〇〇の氏名です。

内定辞退のご連絡をいただきありがとうございました。

氏名の決断を尊重すべきところですが、当社の未来に不可欠な方だと確信しており、大変不躾ながら一度だけ本音をお伝えしたくご連絡いたしました。

もし辞退の理由が年収や配属先などの条件面にある場合、当社側で柔軟に調整できる可能性がございます。

少しでも再考の余地がございましたら、最後に15分ほどオンラインでお話しさせていただけないでしょうか。

企業側による内定辞退の引き留めと法律

内定辞退を申し出た求職者を引き留める際には、法律的なリスクを正しく理解しておく必要があります。企業がトラブルを回避しつつ適切な交渉を行うために知っておくべき法的な境界線について解説します。

引き留め行為の適法性

内定辞退の引き留め行為そのものは、法律違反には該当しません。企業が自社の魅力を再度アピールしたり、条件の再提示を行ったりして入社を促す説得活動は自由だからです。

例えば、他社との待遇を比較して給与面の交渉を行うことや、希望する配属先への変更を提案することは合法的な採用活動の一環と言えます。したがって、求職者の意思を尊重した上での純粋な交渉であれば、法的な問題が生じることはありません。

強要や脅迫に該当するリスク

引き留めの方法が度を越して強世紀になると、法律違反となるリスクが非常に高くなります。日本には職業選択の自由が保障されているため、内定承諾書の提出後であっても求職者には辞退する権利があるからです。

具体的には、辞退するなら損害賠償を請求すると脅すことや、他社への入社を妨害すると告げる行為は強要罪や恐喝罪に問われる可能性があります。企業の権利を主張しすぎて脅迫的な言動にならないよう、法的な境界線には細心の注意を払う必要があります。

企業側による内定辞退の引き留めとマナー

内定辞退の引き留めを行う際は、法律だけでなくビジネスマナーへの配慮が不可欠です。マナーを逸脱した強引な引き留めは、企業の社会的信用を大きく損なうリスクがあるからです。

求職者との良好な関係を保ちながら、適切にアプローチするためのマナーについて解説します。

オワハラを回避する重要性

内定辞退の引き留めにおいて、オワハラと捉えられる行為を避けることは企業の存続に関わるほど重要です。就職活動の終了一般を強要するような態度は、SNSや転職口コミサイトを通じて実名で拡散されるリスクが非常に高いからです。

例えば、他社の選考状況を執拗に聞き出したり、自社への入社を執拗に迫ったりする行為は、求職者に強い恐怖感を与えます。インターネット上で悪評が広まると、翌年以降の採用活動全体に甚大な悪影響を及ぼすため、威圧的な態度は厳禁です。

1回に留めるべき引き際

引き留めの連絡は、原則として1回のみに留めることがビジネスマナーにおける正しい引き際です。何度も連絡を重ねる行為は説得ではなく執拗な追及となり、求職者に強い拒絶感を与えてしまうからです。

具体的には、再考を促するメールを1回送り、相手から辞退の意志が変わらない旨の返信があった場合は、それ以上追及せずにスパッと引き下がります。潔く引き下がる姿勢を見せることで、かえって企業の器の大きさを印象づけることができます。

企業側の内定辞退対応で絶対にやってはいけないNG行為

内定辞退への対応において、担当者が感情に任せて行ってしまいがちな禁止行為が存在します。これらのNG行為は、企業のブランドイメージを瞬時に失墜させる致命的な引き金になるからです。

絶対に避けるべき5つの禁忌について、チェックリスト形式で確認していきましょう。

絶対にやってはいけないNG行為発生するリスク
感情的な嫌みや恨み言の送信SNSや口コミサイトへの拡散、ブランドイメージの崩壊
辞退理由への執拗な追及尋問となり、求職者に強い拒絶感と恐怖を与える
返信をしないサイレント対応不誠実な印象を与え、将来の顧客となる可能性を失う
内定承諾書を盾にした脅し企業の社会的信用の失墜、強要罪に問われるリスク
懇親会の経費請求器の小さい会社という評判の拡散、法的な実効性なし

感情的な嫌みや恨み言の送信

求職者に対して、感情的な嫌みや恨み言をメールで送信することは絶対にやってはいけない行為です。採用コストや時間が無駄になった悔しさから不満をぶつけると、求職者はそのメールの画面を瞬時にSNSへ投稿するからです。

例えば、期待外れだった、他社へ行っても苦労する、といった文面は典型的なハラスメントとみなされます。別れ際に感情をコントロールできない企業であるという悪評が広まれば、企業の信頼は一瞬で崩壊します。

辞退理由への執拗な追及

内定を辞退する理由について、求職者を論破しようと執拗に問い詰めるのは厳禁です。参考までに理由を伺うのは問題ありませんが、相手の選択の間違いを証明しようとすると説得ではなく尋問になってしまうからです。

なぜ他社のほうが良いのか納得のいく説明をしてほしい、といった態度は求職者に強いストレスを与えます。相手には職業選択の自由があることを忘れず、理由を深く追及しすぎない冷静な対応が求められます。

返信をしないサイレント対応

内定辞退の連絡を受けた後、返信をせずに無視するサイレント対応も避けるべきです。入社しない人材だからといって連絡を途絶えさせる姿勢は、求職者に不誠実な会社であるという確信を与えてしまうからです。

その求職者は将来、別の企業で自社の顧客やビジネスパートナーになる可能性が十分にあります。最後まで丁寧に対応しないことで、未来の貴重な接点や売上の機会を永遠にゼロにしてしまう損失は小さくありません。

内定承諾書を盾にした脅し

すでに提出された内定承諾書の法的効力を盾にして、求職者を脅す行為は行ってはいけません。法的根拠の薄い脅しをかけることは、企業の社会的信用を著しく落とすだけでなく、逆に強要罪などに問われるリスクがあるからです。

具体的には、承諾書を出したのだから辞退は契約違反だ、損害賠償を請求する、といった主張は実務上認められません。法律を誤解した威圧的な態度は、企業側の大きなリスクとなるため厳に慎むべきです。

懇親会の経費請求

内定辞退者に対して、これまでに開催した懇親会の飲食代や記念品の費用を請求することは避けてください。企業側が採用活動の一環として自発的に支出した費用を、求職者に後から請求することは実務上認められないからです。

ケチで器の小さい会社というレッテルを貼られ、業界内の噂として広まるリスクのほうが遥かに大きくなります。採用活動における投資の一部として割り切り、金銭の請求を行うような対応は控えるのが賢明です。

内定辞退を防止するコツ

内定辞退を防ぎ、優秀な人材を確実に獲得するための実践的な対策をまとめた記事をご紹介します。自社の辞退フェーズの分析方法から、企業規模や業種別の最適なアプローチ、辞退発生後の改善プロセスまでプロの視点で網羅的に解説しています。

記事内では、特に重要となる以下の4つの防止策について詳しく紹介しています。

  • 選考プロセスの高速化(迅速な合否連絡で他社への流出を防ぐ)
  • 入社意欲を高める動機形成(企業の魅力や評価ポイントを伝えてファンにする)
  • 労働条件の早期すり合わせ(リアルな就業実態を面接段階から明確にする)
  • 入社までの適切なコミュニケーション(内定後も定期的に面談などを行い不安に寄り添う)

自社の採用課題に合った解決策を見つけ、選考の歩留まりを改善したい方は、ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。

※関連記事:内定辞退を防止する効果的な対策とは?優秀な人材を獲得する採用活動のポイント

内定辞退における企業側の返信に関するまとめ

Q:内定辞退の返信で最も大切なことは何ですか?

A:1営業日以内の迅速な対応と、相手の決断を尊重して選考への感謝を伝える誠実な姿勢です。

Q:辞退の引き留めは法律やマナーに違反しますか?

A:引き留め自体は適法ですが、脅迫的な言動やしつこい追及はオワハラとなり大きなリスクを伴うため厳禁です。1回限りの丁寧な提案に留めるのがマナーです。

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※なお、スカイベイビーズの内定者フォロープログラム企画サービスページはこちらです。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

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