働きがいとは?意味や働きやすさとの違い、構成する5つの要素をわかりやすく解説

働きがいとは、社員が仕事に意味や手応えを感じ、意欲的かつ主体的に取り組めている状態のことです。働きがいは、次の5つの要素が職場で満たされることで高まります。

  • 意味・誇り:自分の仕事に意味を感じ、誇りを持てている
  • 成長:仕事を通じて学び、成長を実感できている
  • 信頼・公正:経営層や上司を信頼し、公正に扱われている
  • つながり:仲間との連帯感や所属している実感がある
  • 貢献・承認:役割が明確で、貢献が認められている

本記事では、ウェルビーイング経営を支援する株式会社スカイベイビーズの監修のもと、働きがいの意味や似た言葉との違い、測り方までを、国内外の調査をもとにわかりやすく解説します。

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この記事の監修者
Masato Yasui

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。

働きがいとは

働きがいは、働きやすさや従業員満足度、エンゲージメントなど、似た言葉と混同されやすい概念です。まずは働きがいの意味を確認したうえで、それぞれの言葉との違いを整理します。

言葉意味働きがいとの関係
働きがい仕事に意味や手応えを感じ、意欲的に取り組めている状態
働きやすさ労働時間や休暇など、働く環境が整っている状態働きがいの土台となる
やりがい仕事そのものから得られる手応え働きがいを構成する要素の一つ
エンゲージメント会社への愛着や貢献意欲、仕事への熱意働きがいを測る指標として使われる
従業員満足度会社から与えられた待遇や環境への満足度満足度が高くても働きがいが高いとは限らない
ウェルビーイング心と体と社会のよい状態働きがいはその一部であり、深く結びつく

働きがいの意味

働きがいとは、社員が所属する組織で働く価値を感じながら、意欲的かつ自律的に仕事に取り組めている状態のことです。法律などで決まった定義はなく、広島県も、働きがいの感じ方は人によって異なるとしています。

どの考え方にも共通しているのは、会社から与えられる待遇だけでなく、社員自身が仕事に意味や手応えを感じているかどうかを重視している点です。

※参考:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcm-hatarakikata/gai-commentary.html

働きやすさとの違い

働きやすさが労働時間や休暇など働く環境の良さを指すのに対し、働きがいは仕事への意欲や手応えといった内面の状態を指します。働きやすさは不満を防ぐ土台、働きがいは意欲を生み出すエンジンにたとえられます。

両者の違いや、どちらかに偏ったときに起きる問題、取り組む順番は、次の記事で詳しく解説しています。

※関連記事:働きやすさと働きがいの違いとは?企業が取り組むべき順番と具体策

この記事では、両者の違いを比較表で整理したうえで、ゆるブラックややりがい搾取に陥らないための改善ステップを紹介しています。

やりがいとの違い

やりがいは、働きがいを構成する要素の一つです。Great Place to Work Institute Japanは、働きがいを働きやすさとやりがいの両輪からなるものと捉えています。

やりがいが仕事そのものから得られる手応えを指すのに対し、働きがいは、働きやすさも含めて職場全体で感じる働く価値を指す、より広い言葉です。同社の調査では、働きやすさとやりがいを兼ね備えた職場ほど、売上の伸び率が高い傾向が見られました。

※参考:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcm-hatarakikata/gai-commentary.html

エンゲージメントとの違い

エンゲージメントは、働きがいを測るときによく使われる言葉で、意味の重なりが大きい概念です。人事の分野では、主に2つの意味で使われます。

1つは、会社への愛着や自発的な貢献意欲を指す従業員エンゲージメントです。もう1つは、仕事に対する活力・熱意・没頭がそろった状態を指すワーク・エンゲイジメントです。

働きがいは、この両方を含む、より日常的な言葉だと考えるとわかりやすいでしょう。

※参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/19/19-1.html、https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/103933/

従業員満足度との違い

従業員満足度は、会社から与えられた仕事や環境にどれだけ満足しているかを示す指標です。これに対して働きがいは、社員が組織や仕事に自分から関わろうとする意欲を重視します。

福利厚生を充実させれば満足度は上がりますが、それだけで働きがいが高まるとは限りません。不満の原因を知りたいなら満足度を、意欲の状態を知りたいなら働きがいやエンゲージメントを測るのが適しています。

※参考:https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/103933/

ウェルビーイングとの関係

ウェルビーイングとは、幸せや健康、心と体と社会のよい状態を指す言葉です。働きがいは、その中でも仕事を通じて得られる充実感にあたり、ウェルビーイングと深く結びついています。

米国Gallup社の調査でも、仕事に熱意を持っている社員の半数は、人生全体でも充実した状態にあるとされています。働きがいを高めることは、社員のウェルビーイングを高めることにもつながります。

※参考:https://www.lifehacker.jp/article/2312_book_to_read-1380/、https://www.gallup.com/workplace/506798/globally-employees-engaged-stressed.aspx

働きがいを構成する5つの要素

働きがいは、意味・誇り、成長、信頼・公正、つながり、貢献・承認の5つの要素が職場で満たされることで高まります。これは、ワーク・エンゲイジメントや米国Gallup社のQ12、広島県のモデルなど、国内外の代表的なモデルに共通する要素を整理したものです。

要素高い状態対応するモデル
意味・誇り自分の仕事に意味を感じ、誇りを持っているワーク・エンゲイジメント(熱意)、GPTW(誇り)、広島県(誇り)
成長仕事を通じて学び、成長を実感しているGallup(成長)、広島県(成長・自己実現)、前野(やってみよう)
信頼・公正経営層や上司を信頼し、公正に扱われていると感じているGPTW(信用・尊重・公正)、広島県(信頼)
つながり仲間との連帯感や、所属している実感があるGPTW(連帯感)、Gallup(チームワーク)、広島県(連帯感)、前野(ありがとう)
貢献・承認自分の役割が明確で、貢献が認められているGallup(基本的な欲求・個人の貢献)、広島県(貢献)

各モデルの詳しい内容は、働きがい改革とは?働き方改革との違いや背景、メリットをわかりやすく解説の「働きがい改革で目指す状態」で紹介しています。

※参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/19/19-1.html、https://hr.uiowa.edu/sites/hr.uiowa.edu/files/2021-06/12%20questions.pdf、https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcm-hatarakikata/gai-commentary.html、https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/583846.pdf、https://jp.ext.hp.com/techdevice/business/jbp_o08/

意味・誇り

自分の仕事に意味を感じ、誇りを持てていることは、働きがいの土台となる要素です。会社の戦略や理念と自分の仕事のつながりが見えると、仕事に意味を感じやすくなります。

実際に、戦略の浸透に力を入れたコンサルティング会社のプロジェクトホールディングスでは、エンゲージメント調査の「仕事」の項目が伸びました。

※参考:https://note.com/project_holdings/n/nb2909fab973c

成長

仕事を通じて学び、成長を実感できることも、働きがいを大きく左右します。米国Gallup社は、働きがいを満たすべき4つの段階として整理し、その最上位に成長を置いています。

一方で、ドイツの通信会社Deutsche Telekomの調査で最も評価が低かったのはキャリア開発でした。成長の機会づくりは、多くの企業に共通する課題です。

※参考:https://hr.uiowa.edu/sites/hr.uiowa.edu/files/2021-06/12%20questions.pdf、https://report.telekom.com/hr-factbook/2025/organizational-culture/results-from-pulse-survey-2025.html

信頼・公正

経営層や上司を信頼でき、公正に扱われていると感じられることも欠かせません。Great Place to Work Institute Japanは、信用・尊重・公正の3つを、働きがいのある会社を支える中心的な要素としています。

評価の基準があいまいだと、不公平感から働きがいは下がります。評価基準を等級ごとに明確にしたブレイン・ラボでは、約4年でエンゲージメントスコアが全体で11.5ポイント改善しました。

※参考:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/583846.pdf、https://note.com/brainlab/n/n4601c4837a76

つながり

仲間との連帯感や、自分がこの職場に属しているという実感も、働きがいを支えます。リモートワークが広がった今、つながりは意図して場をつくらないと生まれにくくなりました。

オーストラリア発のソフトウェア企業Atlassianでは、チームが年3回ほど集まることで、つながりの実感が27%高まったと報告されています。

※参考:https://www.atlassian.com/blog/innovation/distributed-work-report

貢献・承認

自分の役割が明確で、その貢献が認められていることも重要です。Gallupのモデルでは、仕事で何を期待されているかがわかっていることを、最も基本的な欲求と位置づけています。

役割があいまいなままでは、いくら理念やビジョンを語っても働きがいにはつながりません。意見を言える場や、成果をきちんと認める仕組みを整えることが大切です。

※参考:https://hr.uiowa.edu/sites/hr.uiowa.edu/files/2021-06/12%20questions.pdf

働きがいが重要とされる理由

働きがいが重要とされるのは、人材の定着や企業の業績、社員の健康といった、企業と社員の双方にとって大切な成果と深く結びついているためです。

人材の定着

働きがいが高い職場ほど、社員は辞めにくくなります。米国Gallup社の分析では、働きがいが上位25%のチームは下位25%のチームより、離職が21〜51%少ない結果でした。

人手不足が続く中、育てた人材に長く働いてもらうことは、多くの企業にとって切実な課題です。

※参考:https://www.gallup.com/workplace/321725/gallup-q12-meta-analysis.aspx

企業の業績

働きがいは、企業の業績とも結びついています。同じ分析で、働きがいが上位25%のチームは下位25%のチームより利益が23%高く、労働災害は63%、欠勤は78%少ない結果でした。

いずれも相関を示すもので、取り組めば必ず業績が上がるとはいえませんが、多くの調査で同じ傾向が確認されています。

※参考:https://www.gallup.com/workplace/321725/gallup-q12-meta-analysis.aspx

社員の心身の健康

働きがいは、社員自身の心と体の健康にもつながります。Gallupの分析では、働きがいがストレスに与える影響は、働く場所の3.8倍でした。

どこで働くかより、仕事にどれだけ熱意を持って関われているかの方が、ストレスの大きさを左右するということです。企業と社員それぞれのメリットは、働きがい改革とは?働き方改革との違いや背景、メリットをわかりやすく解説で詳しく紹介しています。

※参考:https://www.gallup.com/workplace/506798/globally-employees-engaged-stressed.aspx

日本における働きがいの現状

日本の働きがいは、世界の中でも際立って低い水準にあります。その一方で、働き方改革の次の段階として、働きがいを高めようとする動きも広がり始めています。

世界と比べた日本の水準

Gallupの2026年版レポートによると、日本で仕事に熱意を持って働いている社員は8%にとどまりました。世界平均の20%を大きく下回る水準です。

同じ調査では、前日に強いストレスを感じた日本の社員が39%にのぼっています。働きがいを高める余地は、まだ大きく残されているといえます。

※参考:https://www.gallup.com/workplace/705794/state-global-workplace-japan-country-level-data.aspx、https://www.gallup.com/workplace/349484/state-workplace.aspx

働きがい改革の広がり

こうした状況を受けて、働き方改革で整えてきた働きやすさに加え、働きがいそのものを高めようとする働きがい改革が広がっています。2023年3月期からは上場企業に人的資本の情報開示が義務化され、働きがいは投資家からも見られる指標になりました。

働きがい改革が注目される背景や進め方は、働きがい改革とは?働き方改革との違いや背景、メリットをわかりやすく解説で解説しています。

※参考:https://www.cas.go.jp/jp/houdou/pdf/20260323_1.pdf

働きがいの測り方

働きがいは目に見えないため、定期的に数値で測り、変化を確かめることが欠かせません。主な測り方は、次の3つです。

エンゲージメント調査

最も一般的なのが、社員へのアンケートで働きがいを数値化するエンゲージメント調査です。日本経済団体連合会の2022年の調査では、回答企業の81.8%が従業員エンゲージメントを測定していました。

ただし、調査は結果を社員に返し、改善につなげてはじめて意味を持ちます。結果に応えないまま調査を続けると、かえって社員の信頼を失うため注意が必要です。

※参考:https://www.dlri.co.jp:443/files/ld/325049.pdf

ワーク・エンゲイジメントの指標

一人ひとりの心の状態を測る指標として、ワーク・エンゲイジメントもよく使われます。仕事への活力・熱意・没頭の3つについて質問し、働きがいを数値化する方法です。

厚生労働省も2019年の労働経済白書で、働きがいの指標としてワーク・エンゲイジメント・スコアを紹介しました。スコアが高いほど、人材の定着率や企業のパフォーマンスが向上するとしています。

※参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/19/19-1.html

ウェルビーイングの測定

働きがいとあわせて測りたいのが、社員の幸福感や心身の状態を示すウェルビーイングです。働きがいのスコアが上がっても、ストレスや疲労が増えていれば、本当の改善とはいえないためです。

当社スカイベイビーズでは、慶應義塾大学の前野教授と共同開発したウェルビーイング計測ツールを使い、働きがいの背景にある社員の状態の把握を支援しています。

働きがいを高める方法

働きがいを高める基本は、社員の声を測って応え、小さく試しながら改善を続けることです。国内外11社の取り組みから見えたポイントは、次の7つです。

ポイント内容
社員の声に応えたことを見せる調査後に何を変えたかを示し、次の本音を引き出す
小さく試してから広げる一部の部署で効果を確かめてから全社に展開する
働きやすさと働きがいの両方に取り組む環境の整備に加え、仕事の意味や成長実感にも手を打つ
現場を当事者にする人事だけで抱え込まず、職場単位で課題を見て動く
うまくいかない場合を前提に設計する例外や後退を織り込み、制度を長続きさせる
年単位で取り組む総合スコアだけでなく、設問単位の変化を追う
つながりを意図して設計する対面の場を計画的に設け、関係性を保つ

それぞれの進め方は、次の記事で詳しく解説しています。

※関連記事:働きがいを高めるには?成功企業に共通する7つのポイントと最初にやるべき施策

この記事では、7つのポイントに加えて、最初にやるべき4つの施策や立場ごとの役割、施策を進めるうえでの注意点も紹介しています。

働きがいを高めた企業の具体例

働きがいを高めた企業には、測る、応える、試すという地道な取り組みを続けているという共通点があります。代表的な4社の取り組みは、次のとおりです。

企業主な取り組み成果
サイボウズ株式会社最長6年の育児休業制度、在宅勤務の試験導入と段階的な拡大離職率が28%から4.36%(2025年12月期)に低下
株式会社ブレイン・ラボ部署横断の改善チーム、評価基準の明確化約4年でスコアが11.5ポイント改善
大成設備株式会社役員と全社員の対面対話、ジョブ型人事制度の導入建設業平均47(B)に対し61.9(AA)
Atlassian Corporation働く場所の自由化、年3回のチームの集まり92%が最高の仕事ができると回答

※参考:https://cybozu.co.jp/company/outline/pdf/corporate_profile.pdf、https://note.com/brainlab/n/n4601c4837a76、https://www.taisei-setsubi.jp/corporate/engagement/、https://www.atlassian.com/blog/innovation/distributed-work-report

国内外11社の取り組みと成果は、次の記事で詳しく紹介しています。

※関連記事:働きがいを高めるには?成功企業に共通する7つのポイントと最初にやるべき施策

この記事では、国内6社・海外5社の施策と成果を数値つきで紹介し、国内と海外の取り組みの違いもまとめています。

働きがいに関するまとめ

Q:働きがいとは何ですか?

A:社員が仕事に意味や手応えを感じ、意欲的かつ主体的に取り組めている状態のことです。

Q:働きやすさとの違いは何ですか?

A:働きやすさは労働時間や休暇など働く環境の良さを、働きがいは仕事への意欲や手応えといった内面の状態を指します。

Q:働きがいは、どのような要素で決まりますか?

A:意味・誇り、成長、信頼・公正、つながり、貢献・承認の5つが職場で満たされることで高まります。

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※なお、スカイベイビーズのウェルビーイング力向上支援サービスページはこちらです。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

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