「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏と共同研究したサーベイ『ソラミドWell-being』を通して、次世代の自由でフラットな組織を模索する


エンゲージメントサーベイの質問項目は、組織の現状と課題を正確に把握するために以下の5カテゴリで構成するのが効果的です。
不満を抑える衛生要因と意欲を高める動機づけ要因を網羅し、回答負担の少ない5段階評価で設計することが成功の鍵となります。
本記事では、数多くの組織改善やウェルビーイング向上支援を手掛ける「株式会社スカイベイビーズ」監修のもと、実践的な質問項目例や失敗しない選び方のコツをプロの視点で分かりやすく解説します。
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株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。
エンゲージメントサーベイを効果的に運用するには、組織・個人・環境・成果の各要素を網羅した設問設計が不可欠です。回答形式は「1: 全く当てはまらない 〜 5: 非常によく当てはまる」の5段階評価(リカート尺度)が標準的で分析しやすいためおすすめです。
自社の課題を的確に捉える5つの重要カテゴリをご紹介します。
企業が目指す方向性と個人の価値観が調和しているかを測る項目です。
理念への理解や共感、自身の仕事とのつながりを意識できている従業員は、組織に対する貢献意欲が高まり、一貫性を持った行動をとれるようになります。一方、ここが不十分だと「会社の方向性と現場の乖離」が生じ、組織全体のエンゲージメント低下につながるため重要です。
日々の業務に対する主体的・積極的な意欲や、自身の成長実感・強みの発揮度合いを測る項目です。
仕事に対して面白みや達成感を感じ、スキルアップの機会を得られている状態は、高いモチベーションとパフォーマンスを生み出します。従業員の自己実現を後押しし、バーンアウトや意欲減退を防ぎ定着率を高めるために欠かせない視点です。
職場における人間関係や心理的安全性、上司からの適切なサポートや承認の有無を評価する項目です。
安心して意見や悩みを言える環境と、努力や成果に対する正当なフィードバックがある職場では、信頼感が生まれ組織の協働が促進されます。エンゲージメント低下や離職の要因になりやすい人間関係の問題を早期発見するために不可欠です。
業務量、システム環境、評価の納得感など、モチベーションの阻害要因がないか(衛生要因)を確認する項目です。
この領域に不満が溜まると、どれだけやりがいを感じていても疲弊や離職を引き起こします。不満要因を解消し、従業員が健全かつ効率的にパフォーマンスを発揮し続けられる土台を整えるために極めて重要となります。
定着意向や自社を他者に勧めたい度合い(eNPS)など、最終的なエンゲージメントの強さを測定する項目です。
他の各要因がどの程度定着や組織愛に結びついているかを評価します。現状の総合的な組織健康度を把握するとともに、どの要因が離職リスクや推奨度に影響を与えているかを分析する基準となります。
「理念・ビジョンへの共感」を測定する際は、認知から体現までの深さに応じて設問を設計することが重要です。設問は大きく以下の4つに分類できます。
理念が新しく定義された企業や、メッセージの発信に課題を感じている組織に効果的です。従業員が会社のミッションや中長期的な事業戦略を正しく認知し、背景まで理解できているかを把握する目的で設定します。
会社の目指す方向性や存在意義に対して、従業員が感情的にポジティブな印象を抱いているかを測る設問です。会社への誇りや期待感を可視化し、組織に対する情緒的なエンゲージメントの強さを確認する目的で実施します。
理念が抽象的なお題目にならず、日々の現場の仕事と接続しているかを測る設問です。「理念は立派だが自分の業務には関係ない」という分断を防ぎ、個人の役割が会社の目標達成にどう貢献しているかの実感を確かめる目的があります。
理念が口先だけでなく、実際の組織行動や制度に反映されているかを検証する設問です。経営陣の言行一致や職場の称賛風土を確認し、理念に対する社員の冷ややかな見方(シニシズム)や不満の発生を防ぐ目的で設定します。
「仕事のやりがい・成長感」を測定する際は、仕事への熱意から成長感、成果の達成度まで多角的に把握することが重要です。設問は大きく以下の4つに分類できます。
仕事自体に価値や面白さを感じ、ポジティブかつ自発的に取り組めているかを測る設問です。従業員の活力や没頭度合いを把握し、意欲減退やバーンアウト(燃え尽き)の予兆を早期に察知してサポートに繋げる目的で設定します。
個人の強みや経験が現在の業務に活かされ、主体的に取り組める裁量があるかを測る設問です。適材適所の配置ができているかや、自主性を発揮できる環境かを可視化し、パフォーマンスと満足度を最大化させる目的があります。
日々の業務を通じた能力開発や、将来のキャリアへの繋がりを感じられているかを測る設問です。特に若手・中堅層の自己成長欲求を満たせているかを確認し、キャリアの行き詰まりによる離職を防ぐ目的で実施します。
業務を遂行した際の手応えや、周囲への貢献実感を確かめる設問です。自身の仕事が誰かの役に立っているという実感(やりがい)を得られているかを把握し、モチベーションを維持・向上させる目的で設定します。
「上司・チームとの関係」を測定する際は、縦(上司)と横(同僚)のコミュニケーションや心理的安全性を多角的に把握することが重要です。設問は大きく以下の4つに分類できます。
ミスや懸念を恐れずに意見や相談ができる環境かを測る設問です。リスクを取った発言や失敗からの学びが歓迎される文化を把握し、課題の早期発見やイノベーションが生まれやすい組織風土をつくる目的で設定します。
直属の上司が適切な業務指導や伴走サポートを行っているかを測る設問です。面談や対話を通じた育成支援の質を可視化し、管理職のマネジメントスキル向上や不満による離職防止に繋げる目的があります。
日々の貢献や成果に対して感謝やポジティブな評価が得られているかを測る設問です。正当に承認されている手応え(感情報酬)を確認し、働く意欲の維持や組織への愛着を底上げする目的で実施します。
部署内の助け合いや情報共有がスムーズに行われているかを測る設問です。チームの一体感や所属意識を把握し、特定の従業員への業務負荷の偏り防止やチームワークの強化に役立てる目的で設定します。
「職場環境・働きやすさ」を測定する際は、モチベーションを阻害する不満要因(衛生要因)を早期に発見することが重要です。設問は大きく以下の4つに分類できます。
業務負荷や時間的・体力的な余裕を把握するための設問です。過度な残業や休日対応による疲弊を可視化し、適切な人員配置や業務改善を行うことで、燃え尽き症候群や突然の離職を防ぐ目的で設定します。
業務遂行に必要なツールやシステム環境が整っているかを測る設問です。日々の「作業のしづらさ」や無駄な手続きによるストレスを解消し、本来の業務に集中できる効率的な労働環境を整備する目的があります。
評価制度の透明性や運用の公平性に対する納得感を確かめる設問です。成果やプロセスに対する納得のいく評価と給与・処遇を受けることで、従業員の不満を抑え、組織への信頼感を維持・向上させる目的で設定します。
従業員の心身の健康への配慮や、ライフステージに応じた働きやすさを測る設問です。柔軟な働き方の選択肢を提供し、健康状態の悪化や育児・介護等を理由とした離職を防ぎ、長く活躍できる土台を作る目的で実施します。
「継続勤務意向・推奨度」は、各要因(施策や環境)の成果となる最終的な組織健康度(アウトカム)を測る重要項目です。従業員の本音や定着意向を把握するため、設問は大きく以下の3つに分類できます。
今後も自社で働き続けたいかという直接的な定着意向を測る設問です。将来のキャリアイメージや他社からの引き抜きに対する心理的ハードルを把握し、潜在的な離職リスクをいち早く検知して対策を講じる目的で設定します。
家族や友人など大切な人に自社を「おすすめの職場」として勧められるかを測る設問です。自社に対する本質的な評価(エンゲージメント強度)を数値化(eNPS)し、組織へのファン度や求心力を客観的に測定する目的があります。
現在の会社で働くことへの総合的な満足感や組織への愛着を測定する設問です。①〜④の各要素がどの程度全体的な「働きがい」に結びついているかを評価し、今後の組織改善に向けた分析の基準(成果指標)とする目的で実施します。
上記5つのカテゴリーは、「学術的理論」と「人事実務での分析のしやすさ」の両面から組織課題を正確に可視化するために不可欠です。必要な要素を網羅して課題特定に繋げる、3つの理由を解説します。
ハーズバーグの二要因理論に基づき、不満を減らす「衛生要因(④職場環境)」と、意欲を高める「動機づけ要因(①〜③)」の両面を測定できるためです。
衛生要因のみの改善では居心地が良いだけの組織になり、動機づけ要因のみではやりがい搾取の疲弊組織に陥ります。両要因を網羅することで、健全な組織基盤を築けます。
ドライバー(原因:①〜④)とアウトカム(結果:⑤)の構造に明確に分かれているためです。定着意向や推奨度などの「結果」のスコアが低い際、どの「原因」が最も影響を与えているかを統計的に特定できます。
勘に頼らず、ピンポイントで効果的な改善施策を講じることが可能になります。
課題の発生階層をマクロ(会社:①)、メゾ(チーム:③)、ミクロ(個人:②④)の3レベルで特定できるためです。「理念には共感しているが上司との関係に悩んでいる」「チーム仲は良いが業務量が過剰」など、具体的なボトルネックを見極め、階層に応じた適切な人事施策を実行できます。
サーベイの質問項目を選定する際は、単に問いを並べるのではなく「集計後に具体的な改善アクションへ繋げられるか」という視点が重要です。5つのカテゴリーごとに、効果的な設問選定と分析を見据えた選び方のコツを解説します。
1カテゴリーにつき2〜4問程度を選定します。「頭で理解し、心で共感し、日々の行動に繋がっているか」という段階的な流れで問いを配置することがコツです。
このステップで問うことで、「理念を知らないのか」「共感できていないのか」「現場業務と結びついていないのか」という不透和のポイントを明確に切り分けられます。
「やりがいを感じるか」という本人の感情に関する問いと、「強みを活かせているか」「成長機会があるか」という環境に関する問いをセットで配置します。
これにより、やりがいが低い場合に「配置不適合(強みが活きない)」が原因なのか、「キャリアの停滞感(成長がない)」が原因なのかを識別でき、打つべき人事施策を明確にできます。
直属の上司に対する評価(業務サポートやフィードバックなど)と、職場全体の雰囲気(心理的安全性やチームの協力体制など)は分けて聞くのが鉄則です。
両者を分離することで、「職場環境は良いが上司の指導力が不足している」のか、「上司の過剰管理で職場の息苦しさが生じている」のかなど、マネジメント課題の真因を特定しやすくなります。
業務負荷や評価納得感などの衛生要因は、欠如すると即座に離職に繋がるレッドフラッグ(警告)の役割を果たします。
「やりがい(動機づけ要因)」のスコアとクロス分析を行うことで、「やりがい搾取による燃え尽きリスク」や「快適だが成長意欲が湧かないぬるま湯化」など、組織が陥っている状態を正確に捉えられます。
継続勤務意向や推奨度(eNPS)は最終的な成果指標(アウトカム)となるため、各視点から1〜2問厳選して配置します。
①〜④の各要因スコアと相関分析を行うことで、「自社の社員の定着には、どの要因(上司支援・成長実感など)が最も強く影響しているのか」という自社独自のエンゲージメント構造を数値で解明できます。
A:年1回等の定期調査なら15〜25問、毎月の簡易調査なら5〜10問程度に絞ると回答者の負担を軽減できます。
A:集計後に「具体的な改善アクション」へ繋げられるかです。原因(環境・成長等)と結果(定着意向)をバランスよく網羅して設計しましょう。
「自社に合った質問設計や、調査後の具体的な改善施策の進め方に悩みがある」と感じたら、業界や規模を問わず企業のウェルビーイング向上支援を手掛ける当社・株式会社スカイベイビーズにぜひご相談ください。
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