燃え尽き症候群による離職を防ぐ原因と対策

燃え尽き症候群の主な原因は、目標達成後の虚脱感や過密労働であり、有効な対策は強制的な休養や稼働時間の上限設定です。責任感の強い社員ほど周囲の期待に応えようとして、過負荷を一人で抱え込み、心身を疲弊させてしまいます。

企業が講じるべき具体的な対策は以下の3点です。

  • 成果を出した直後の強制的な休養期間の導入
  • 稼働時間や成果に対する組織的な上限の適用
  • 業務量の可視化と特定個人への集中を防ぐ評価の撤廃

本記事では、自社でもウェルビーイングを研究・実践し、株式会社スカイベイビーズが監修し、燃え尽き症候群の原因と具体的な防止策について解説します。

スカイベイビーズの「ウェルビーイング力向上支援サービス」の詳細は下記ボタンから!

この記事の監修者
Masato Yasui

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。

燃え尽き症候群の基礎知識と症状

燃え尽き症候群は、組織の持続可能性を脅かす深刻な問題です。発生を防ぐ第一歩として、まずはその定義や具体的な症状について正しく理解することが大切です。

燃え尽き症候群の定義

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは、これまで意欲的に仕事に励んでいた人が、持続的なストレスによって心身のエネルギーを使い果たし、情熱や意欲を失ってしまう状態を指します。単なる一時的な疲労とは異なり、個人の努力だけでは回復しにくい点が特徴です。

世界保健機関(WHO)でも職業上の危険因子として定義されており、放置すると離職へ直結します。社員の健康と持続的な活躍を支えるウェルビーイング経営の観点からも、組織全体で早期に予防へ取り組むことが不可欠です。

燃え尽き症候群の主な症状

燃え尽き症候群の主な症状は、感情の枯渇、脱人格化、個人達成感の低下の3つに分類されます。

症状の分類具体的な状態や行動の変化
感情の枯渇心身のエネルギーが尽き、朝起きられないほどの激しい疲労感が続く
脱人格化周囲への思いやりがなくなり、同僚や顧客に対して冷淡・批判的になる
達成感の低下自身の成果に価値を感じられなくなり、仕事への自信を完全に失う

まず、仕事に対して感情的なエネルギーが尽き、激しい疲労感に襲われます。次に、同僚や顧客に対して冷淡で無関心な態度をとる脱人格化が表れます。

最終的には、自分の仕事に価値を見出せなくなり、自信を失ってしまいます。日常の行動変化を捉えるため、組織内で定期的にチェックできる体制を整えることが重要です。

責任感の強い社員が燃え尽き症候群に陥る理由

責任感が強い社員ほど、組織の期待に応えようとして自らを追い込んでしまう傾向があります。

社員個人と組織の双方が健全な状態を保つウェルビーイングの観点からも、この構造を正しく理解することが重要です。

他者からの期待に応え続けようとする姿勢

責任感が強い社員は、周囲からの高い期待に応え続けることを優先し、無理を重ねやすい特徴があります。期待に応えることが自身の価値であると考え、過度な負荷があっても業務を引き受けてしまうためです。

例えば、難度の高い案件を断れず、休む間もなく次の業務へ向かうケースが挙げられます。本人の誠実さに頼る運用を放置すると、心身の良好な状態が損なわれ、燃え尽きへと直結します。

自身の不調や過負荷を周囲に相談できない心理

過負荷に悩む社員が不調を周囲に相談できない心理も、離職のリスクを高める大きな要因です。弱音を吐くことで周囲に迷惑をかけたくないという思いや、評価が下がる懸念が相談を躊躇させるからです。

助けを求められないまま一人で問題を抱え込み、気づいた時には限界を迎えてしまいます。組織には、社員が安心して心身の状態を開示し、互いに支え合える環境づくりが求められます。

完璧主義により業務を一人で抱え込む傾向

完璧主義な姿勢は、業務を他者に切り出せず自分一人で抱え込む状況を作り出します。質の高さへのこだわりが強いあまり、人に任せるより自分で処理した方が確実だと考えてしまうためです。

結果として、特定の優秀な社員に業務が集中し、キャパシティを超えた稼働が定着してしまいます。タスクをチームで分担し、過度な個人依存から脱却する仕組みづくりが不可欠です。

自分の限界や疲労を後回しにする習慣

自身の疲労信号を後回しにして働き続ける習慣は、深刻な心身の枯渇を引き起こします。目標達成を優先するあまり、体調の変化やストレスの蓄積を無意識に無視してしまうからです。

限界を超えて稼働し続けた結果、突然糸が切れたように動けなくなるケースが少なくありません。社員が持続的に成果を出し続けられるよう、組織側から休憩や休養を促すアプローチが必要です。

企業における燃え尽き症候群の発生原因

燃え尽き症候群は、個人のメンタルの問題ではなく、企業側の労働環境や評価制度の歪みによって発生します。持続可能な組織と社員のウェルビーイングを実現するため、発生の根底にある要因を正しく把握することが重要です。

大きな目標を達成した後の虚脱感

大きな目標を達成した直後は、燃え尽き症候群が最も発生しやすいリスク期間です。全力を出し切ったことで感情のエネルギーを使い果たし、次に進む目的意識を見失ってしまうためです。

例えば、大型プロジェクトの完了や最高業績を達成した直後に、強い虚脱感から離職を選ぶ社員が多く存在します。成果を挙げた社員に対してすぐに次の高負荷な目標を与えるのではなく、心身を回復させるクールダウン期間を設けることが不可欠です。

継続的な過密労働と調整権限の欠如

継続的な過密労働と自分自身の業務をコントロールできない状態は、社員の心身を著しく疲弊させます。仕事量に対する裁量権がないと、過剰な負荷に抗えず強い無力感を抱くようになるからです。

休む間もなくアウトプットを求められる中で、調整の余地がない環境は、心身の良好な状態であるウェルビーイングを害します。組織は稼働時間や成果の上限を設定し、社員が自らの働き方をコントロールできる仕組みを整える必要があります。

誠実さや使命感による過度な自己搾取

誠実さや強い使命感を持つ社員に依存する体制は、自発的な超過労働による自己搾取を引き起こします。個人の責任感に頼りきった業務設計では、限界を超えて努力を続けてしまうからです。

例えば、特定の優秀な社員が現場で一人で問題を抱え込み、感情をすり減らしていくケースが多発しています。特定個人への過度な業務集中を放置せず、組織の設計ミスとして捉えて負荷を分散させることが求められます。

貢献度に見合わない評価や価値観の不一致

貢献に対する不適切な評価や企業の価値観とのズレは、社員の意欲を根本から奪います。努力したプロセスが適切に認められなかったり、納得のいかない制度運用が続いたりすると、会社への不信感が募るためです。

組織との価値観の乖離を感じた社員は、自らの存在意義を見失い、情熱を減退させる原因となります。社員一人ひとりが納得感を持って意欲的に働けるよう、透明性の高い評価システムの構築が不可欠です。

燃え尽き症候群を告白した具体的な事例

燃え尽き症候群は、高い成果を上げてきた人物にも発生します。実在の事例を把握することは、組織の未然防止策を検討する上で極めて有効です。

北島康介氏:目標達成後に意欲を失った事例

最高の成果を挙げた直後は、燃え尽き症候群による意欲低下が最も発生しやすい局面です。競泳の北島康介氏は、アテネ五輪での金メダル獲得後、意欲が湧かず練習に身が入らない状態を自ら燃え尽き症候群だったと振り返っています。

大きな目標の達成によって目的意識を見失うと、感情のエネルギーが急速に枯渇してしまうためです。偉業の直後こそ、社員の心身のウェルビーイングを維持するための休息と、次の目的を見出す丁寧なサポートが求められます。

参考:https://mdpr.jp/news/detail/4443295

サンドラ・ブロック氏:連続する需要により判断力が低下した事例

休む間もなく成果を求められ続ける環境は、正常な判断力を奪い燃え尽きを引き起こします。俳優のサンドラ・ブロック氏は、過密スケジュールが続く中で燃え尽きてしまい、健全で賢明な判断ができない状態になったとして活動休止を発表しました。

過剰な需要に応え続けるうちに自分自身のケアを怠り、心身の負荷が限界に達してしまうためです。過度なアウトプットを強いる構造は、社員の良好な状態を損ない、結果として持続可能な成長を阻害します。

参考:https://press.moviewalker.jp/news/article/1090492/

ハーバート・フロイデンバーガー氏:対人支援と責任の集中で疲弊した事例

責任や支援業務が特定個人に集中する環境では、感情的なすり減りによる燃え尽きが顕著にあらわれます。心理学者のハーバート・フロイデンバーガー氏は、過酷なクリニックで自らや同僚が感情をすり減らした経験から、この状態をバーンアウトと定義しました。

献身的な人ほど相手のサポートに傾倒し、自身の限界を超えてストレスを抱え込んでしまうためです。

人の使命感に依存せず、組織全体で負荷を分散して社員のコンディションを守る視点が欠かせません。

参考:https://www.franklincovey.co.jp/blog/archives/3893

企業が実施すべき燃え尽き症候群の防止対策

燃え尽き症候群による離職を防ぐには、精神論ではなく組織的な防止策が必要です。事例から得た知見をもとに、社員のウェルビーイングを守り持続可能な成長を実現する具体的な対策を提示します。

成果を出した直後の強制的な休養期間の導入

成果を出した直後こそ、強制的な休養期間を設定して心身を回復させることが重要です。大型目標の達成直後は、全力を出し切ったことでエネルギーが枯渇し、燃え尽きリスクが最も高まる時期だからです。

目標を達成した社員に対しては、すぐに次の高負荷な課題を与えるのではなく、数日から数週間の業務軽減期間(クールダウン期)を義務化します。あえて意図的な空白期間を設けるアプローチは、社員のウェルビーイングを維持し、長期的なパフォーマンスを高める土台となります。

稼働時間と成果に対する上限の適用

社員の稼働時間と成果に対しては、組織主導で明確な上限を設定することが必要です。休むかどうかの判断を本人任せにすると、責任感から限界を超えて稼働し続けてしまうためです。

例えば、一定の稼働量に達した際はシステム的に業務アクセスを遮断し、物理的に休息を取らせるルールを導入します。成果の出し過ぎや過剰稼働を組織のリスクとして捉え、上限を設ける施策は、社員が健全に働き続けるための確実な防波堤となります。

個人への業務集中を許容する評価の撤廃

評価の観点従来の評価運用改善後の評価運用
業務の抱え込み1人で成果を出した人を高く評価チームに業務を分散させた人を高く評価
業務プロセスの可視化属人化された対応を放置標準化と共有化を組織評価として加点

特定個人に業務や責任が集中する状況を容認せず、評価体系を根本から見直すことが不可欠です。誠実で優秀な社員ほど一人で責任を背負い込み、心身をすり減らしてしまうからです。

一人の頑張りに頼った成果を評価するのではなく、タスクをチームへ分散・標準化できた管理職や組織を高く評価する仕組みへ転換します。孤立したヒーローを生み出さない組織体制を作ることが、全員が健全に能力を発揮できる職場環境につながります。

業務量の可視化とタスク削減のルール化

業務量を常に可視化し、新タスクを追加する際は既存業務を削減するルールを徹底すべきです。キャパシティを超えた業務量が常態化すると、どれほど優秀な社員であっても確実に疲弊していくからです。

例えば、全社で工数を可視化した上で、新しい業務を追加する際には既存タスクを1つ削減・外注するルールを厳格に運用します。引き算の業務管理を組織的に実践することで、社員がゆとりを持って本来の強みを発揮できるウェルビーイングな環境が整います。

燃え尽き症候群の原因と対策に関するまとめ

Q:燃え尽き症候群による離職を防ぐために組織が優先すべき対策は何ですか?

A:大目標達成直後の強制休養の義務化や稼働上限の設定など、個人の責任感に頼らない業務管理を導入することです。

Q:どのような社員が燃え尽き症候群に陥りやすいのでしょうか?

A:高い評価を受ける優秀な社員ほど、期待に応えようと過負荷を一人で抱え込み、限界まで頑張ってしまう傾向があります。

優秀な社員の燃え尽きを予防し、持続可能な組織をつくりたいとお悩みでしたら、業界や規模を問わずウェルビーイング経営支援を手掛ける当社・株式会社スカイベイビーズにぜひご相談ください。

無料相談やお問い合わせの予約は下記ボタンから!

※なお、スカイベイビーズのウェルビーイング力向上支援サービスページはこちらです。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

貴社の魅力を引き出す
ブランディングなら、
私たちにお任せください!