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「自然体で生きる」ってどういうこと?物差しとなる行動指針“SKY WAY”が完成し、理想のフラット組織へ一歩前進  

スカイベイビーズは、社内に役職の階層がないフラット組織です。個性豊かで、独自の高い能力を持つメンバーたちが主体性に行動し、意思決定しながら動いています。そんな組織をさらに理想的に、また自分たち自身を評価するための物差しとして、5つのキーワードからなる行動指針ができました。その名も“SKY WAY”です。人事兼、組織づくりの中心メンバーとして活躍する畑さんに、行動指針策定の意図や成立までの過程を聞きつつ、スカイベイビーズという組織の“今”の姿を探ってみました。 

新卒で大手企業に入社し、営業や人事、組織開発を経験小さな形の人事にも得たものを活かしたいと、その後複数のスタートアップにて経験を積む。経営層や現場を巻き込みながらの採用活動で仕事の醍醐味を感じる。その後スカイベイビーズの人事としても参加し、新しい挑戦を続けている。 

企業理念の解像度を社内外で上げるための行動指針作りに着手 

──畑さんはスカイベイビーズで採用を担当されているそうですが、これまでのキャリアを簡単に教えてください。 

私は社会人になってずっと人事の仕事でキャリアを積んできました。新卒で何百人も採用を行うダイナミック仕事ができる大企業や、ピンポイントで専門人材を欲するベンチャーを経験しましたが、採用の規模、必要人材も異なり、それぞれの会社で得たものは多いです。スカイベイビーズはこれまで在籍した企業とは異なる組織であり働き方をしている会社なので、いい意味で自分の経験が一番通用しないなと思いながら、仕事に取り組んでいます。

──今、スカイベイビーズの仕事で注力していることは? 

ここでの仕事は採用と組織づくりが主で、そのほかにも全社会の運営や、評価制度づくりなども行っています。この春から取り組んでいる大きなものは、行動指針「SKY WAY(スカイウェイ)」の策定です。

──どういった理由で行動指針策定に至ったのでしょうか? 

社内PRと人事視点、大きく2つの理由から機運が高まりました。人事視点でいうと、いわゆる評価制度がまだ作られていなかったので、メンバーのモチベーションを高め、目指すところを明確にするためのものが必要でした。一方、PR側は「自然体で生きる」という企業理念に対し、「それは一体どういうことなんだろう」「もう少し形にする必要があるんじゃないか」という課題感を持っていました。そこで「自然体で生きる」ということの価値観を言語化するため、共通言語を作ろうとする流れができてきたんです。その中からせっかくなら行動指針を作り、みんなの共通言語にしながら、共通の評価ポイントみたいなものも作っていこうとなりました。

メンバー全員で取り組んだ指針づくりは、困難ながらも価値あるもの 

──策定のメンバーやその過程も教えてください。 

最初はPR担当と人事の私、また希望者に手を上げてもらい、5人のチームでプロジェクトがスタートしました。当時は全メンバーが15名ほどだったので、社内の1/3ほどが主要メンバーとして参加したことになります。プロジェクトチームは最初にスカイベイビーズの共通言語を作ることに取り組み、大まかな骨子を作る作業が数ヶ月続きました。その後は月1回の全社会での話し合いや、メンバー全員がオフラインで集まる半年に一度の会議の機会にワークショップも実施しました。我々が大事にしている価値観や、さまざまなケースでの考え方や動き方等について話し合い、そこからさらに必要なことについての洗い出しや言葉磨きを行うという流れです。

──大変だったところはどんな部分ですか? 

まず何から作るかでつまずきました。「自然体を言語化したい」「共通言語を作りたい」という部分にはみんな共感してくれるのですが、行動指針作りのような経験をした人が少なかったので、提示したものに対して思考が停止してしまったり、共通認識を作ることにも時間がかかりましたね。各メンバーから自然体というものに対してさまざまな言葉が出てきたときも、抽象的なものでとどまっていることも少なくなかったです。最終的には5つの言葉に集約されていったんですが、その5つがみんなに腹落ちする言葉になるよう、言語化するのが難しかったですね。

──メンバー全員で決めていくというのは、いいことでもあるし、難しそうだと感じます。 

メンバーは毎回3、4人のチームに分け、常に違う人たちと話し合うようにしました。普通の会社だと、全員の意見を聞いてもまとまらないので、一部の人で決めることが多いと思います。でもフラット組織を本気で実現しようとしているスカイベイビーズでは違うと思い、みんなからもらった意見は真摯に受け止め、異なる意見が出てきた場合はそこを考え直しながら決めていきました。みんなが納得できるものになったかどうか、その最終確認を全員で行い、掲げる予定です。SKY WAYが決定すれば、この指針のもとにすべてが動いていくことになります。みんなの課題感や期待感を洗い出し、全員で作ったものだから、これをすべての物差しにしてもらいたいですね。意識するというよりは、具体的に判断したり、動いたりする物差しとなることを期待しています。

──この行動指針を決める過程を経験したことで、メンバーのみなさんに変化はありましたか? 

みんなが意見を言うようになってくれたと思います。自然体で生きるためには、自分自身、自分でどう生きるかを考える視点が必要です。言われたことをやるのではなく、自分で考えて意見を言うことがセットになった責任もあると思います。でも、あまりその意見が出てこなかったり、言う人と言われる人みたいに分かれてしまったりという状態は、どうしても起きてしまうんですよね。言われたものを受け取るだけじゃなく、今こういう組織で、こういうアジェンダで考えているからこうじゃないか、ということを言うのは、大事なことだと思います。それをこの行動指針づくりの過程で、少しできるようになったのかなと感じています。

──意外だった点はありますか? 

行動指針の最初に「WILL」というのがあります。これは自分が何をやりたいのか、何を実現したいのかを明確にし、BeingとDoingを表現する、というものなのですが、最初にプロジェクトチームでしゃべっていたときは、そんなに重要視していないことでした。でも、全員でワークショップをしたときに、みんなからたくさん出てきたのはWILLに関するもので、そこは意外でした。

──経営層や中核メンバーからすると、当たり前すぎて気づかずスルーしていそうな言葉や考え方にも思えます。 

チームメンバーでは感じられていなかったですね。私たちには見えなかったものが可視化されたのはいいことでした。相手のことをもっと知りたいとか、お互いを認め合おうというときには、全員で取り組むことが大切だと感じられた出来事でもあります。

SKY WAYがもたらすメンバーたちの変化に期待 

──このSKY WAYを作って、具体的な変化を期待するとしたらどのようなところでしょう? 

自分の中の自然体について、考えることのきっかけになってほしいと思います。そして、これを元にした評価制度で、自分を点数化するとか、他のメンバーを見るとか、スカイベイビーズで働く意義みたいなことを自分で考え、発信していけるようになったら嬉しいですね。

SKY WAYは物差しなので、これを基準に自分を評価し、他者を見るということもやっていこうと思っています。その過程で「自分に足りているところはここだ」とか「得意なことはここだ」「これをやめればもっと自然になれるかも」みたいな、それぞれのメンバーの気づきが起こると理想的です。今が「自然体で生きるっていいよね」というのをなんとなくやっている状態だとしたら、この行動指針が物差しになり、自然体で生きることについて具体的に探求できているような状態になれるといいですね。そしてみんながそれぞれ考えているという状態ではなく、それを話し、発信できることが増えていくと、策定した意味があると思います。

──スカイベイビーズはメンバーも増えていますが、新しく参加した人に対して、この会社での在り方や考え方を浸透させるのにも活かせそうですね。 

メンバー数はこの1年で20名を越えました。今いるメンバーにも新しく参加してくれるメンバーとも、SKYWAYを通して価値観の共通認識をしっかり共有していきたいと思っています。採用のシーンでも、SKY WAYを使っていく場面が出てくるだろうなと思っていますし、少なくとも我々はこういうことを掲げてやっています、ということを見てもらい、判断してもらう要素になるんじゃないでしょうか。スクリーニングのツールみたいなものとして活用することはあると思います。

理想とするフラット組織づくりに人事として挑戦していく 

──畑さん自身は、自然体で生きるということや、フラット組織で働くことについてはどんなふうに捉えているのでしょうか? 

私自身の役割で言うと、自然体で生きるとか、それを軸にしたフラット組織がどうやったらできるのかなと思いながら、人事の立場でそこに挑戦しようとしているところがあります。フラット組織を本当に実現しようとしている代表がすごいと思いますし、本当にできるのかな?と私もいろんなことを考えます。フラット組織を達成するためには、やはり仕組みを作って考え方を浸透させるということがすごく大切になります。私はそこですごく重要な役割をもらっているので、組織作りということに向き合おうとしています。全体の課題みたいなところをちゃんと見て、そこから逃げないように取り組んでいきたいですね。通常の組織は上司がいて、ヒエラルキーのような形ができていることが一般的だし、その方が統率しやすいところがあります。でもそうじゃない状態でも社員が働きやすく、かつちゃんと売り上げも立てながらやっていくために、必要なことを探っていく感じですね。難しくもありますが、ものすごく面白い挑戦でもあります。

──どういうフラット組織ができれば畑さん的に正解だったり、達成感を感じられるでしょうか? 

やはり活発に意見を言い合う状態になっているのが、組織としていい状態だと思うんです。今はフラットといいつつも、やはり意見をどんどん言う人もいれば、なんとなくそこに従うという人に分かれています。でも誰で同じ立場で発信できるというのがスカイベイビーズのいいところなので、誰からでも意見が出てきて、それが飛び交うような状態ができたら理想だと思います。

いくつかの会社で働いて、大企業の人事の仕事もすごく楽しかったですが、事業を強くしたり、新しい事業に関わりたくなり、転職をして今に至ります。大企業での経験を活かしつつ、小さな組織で現場をつなげ、肌感を持ってやれる仕事はやりがいが大きいです。スカイベイビーズでも“小さな組織をしっかり作る”、というミッションを、今後も楽しみつつやれたらいいなと思っています。

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