「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏と共同研究したサーベイ『ソラミドWell-being』を通して、次世代の自由でフラットな組織を模索する


候補者体験(CX)とは、求職者が企業を認知してから入社に至るまでの全プロセスで得る感情や印象の総体であり、その向上は内定承諾率のアップや採用コストの削減に直結します。
具体的な改善策は主に以下の3点です。
この記事では、採用ブランディングのプロである株式会社スカイベイビーズ監修のもと、候補者体験の重要性や具体的な改善ステップを詳しく解説します。

株式会社スカイベイビーズ 代表取締役/クリエイティブディレクター
クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。スカイベイビーズでは、コーポレートサイト、採用サイト、オウンドメディアなどジャンルを問わず様々なWebサイトの制作・運用の支援まで幅広く手掛ける。
採用活動において候補者体験の向上は不可欠な要素です。まずは候補者体験の正確な定義や、どのようなプロセスで構成されているかという基本的な知識について解説します。
候補者体験とは、求職者が企業を認知してから選考を経て入社に至るまでのすべてのプロセスで得る体験や感情の総体のことです。採用の成否を分ける重要な指標として注目されています。
例えば面接官の対応ひとつで企業の印象は大きく変わります。求職者が企業との接点を通じて受け取る主観的な価値を高めることが、優秀な人材を獲得するための鍵です。
候補者体験は面接時だけでなく、求職者との最初の出会いから入社後のフォローまで地続きで繋がっています。ここでは全体を構成する5つの段階について詳しく解説します。
最初のステップは、求職者が自社の求人票や採用サイトなどを通じて企業を知る段階です。ここで魅力的な情報発信ができているかどうかがその後の応募数に直結します。
例えば社員インタビューなどで働くイメージを具体的に持たせることが重要です。求職者にこの会社でおもしろい仕事ができそうだと感じてもらう体験を作ります。
次のステップは、求職者が実際に応募をして企業と初めて直接的なコミュニケーションを取る段階です。応募フォームの入力のしやすさや最初の連絡の早さが、企業の誠実さを判断する材料になります。
対応が遅いと求職者の熱意は冷めてしまいます。歓迎されているという安心感を最初のアプローチで伝えることが大切です。
中核となるステップは、面接を通じてお互いの理解を深める相互理解の段階です。面接官が威圧的な態度を取らずに求職者の強みを引き出す対話ができているかが問われます。
品定めをするのではなく対等な立場でキャリアを話し合う場にすべきです。自分の話を真摯に聞いてもらえたという実感が企業への信頼感に繋がります。
選考結果を伝える段階は、合否に関わらず丁寧な対応が最も求められる重要な局面です。結果連絡のスピードや不採用通知の文面の温かみが、企業のブランドイメージを決定づけます。
冷淡なお祈りメールは求職者に強い不満を残します。時間を割いて選考に進んでくれたことへの感謝を明確に伝える必要があります。
最後のステップは、内定受諾から実際の入社を経て新しい組織に馴染んでいく段階です。入社手続きがスムーズであり、受け入れ態勢が整っていることで入社前の不安を解消します。
初日の準備不足などは早期離脱の原因になります。この会社を選んで正解だったと確信を持てるような受入環境を作ることが重要です。
近年、多くの企業が候補者体験の向上に注力し始めているのには明確な理由があります。マクロ環境の変化やテクノロジーの発展に伴い、採用のあり方が激変している背景を3つの視点から説明します。
少子高齢化による売り手市場の加速により、採用の主導権が完全に候補者側へ移ったことが背景にあります。企業が労働者を選ぶ時代から、求職者が企業を選ぶ時代へと変化しました。
優秀な人材ほど多くの選択肢を持っています。高圧的な態度や遅い連絡を続けている企業は、選考の途中で即座に競合他社へ流れてしまいます。
インターネットの普及により、企業の選考プロセスの実態がまたたく間に外部へ可視化されるようになったためです。現代の求職者は口コミサイトやSNSで、面接官の態度や選考スピードを事前に調べてから応募します。
不適切な対応があればその悪評は瞬時に拡散されます。選考の不透明性を無くし、常に誠実な対応を心がける必要があります。
選考で不採用にした求職者であっても、将将来自社の顧客やビジネスパートナーになり得る構造を理解する必要があるからです。内定を出すのは応募者のごく一部であり、大半の人とは不採用という形で関係が終わります。
しかし選考での体験が素晴らしければ、彼らは将来も自社のファンでいてくれます。すべての応募者を大切なステークホルダーとして扱うべきです。
候補者体験の向上は、単なる求職者への親切ではなく投資対効果の高い攻めの経営戦略です。企業の採用力を高め、経営基盤そのものを強固にする4つの主要なメリットについて解説します。
候補者体験を高めることで、選考辞退を減らし最終的な内定承諾率を劇的に向上させることができます。なぜなら優秀な人材ほど複数の内定を獲得しており、最後の判断基準として選考プロセスの誠実さを重視するからです。
例えば給与などの条件が競合他社と同等であっても、面接での対応が良ければ自社が選ばれます。選考中の不安を無くし、大切にされているという実感を持たせることが入社の決め手となります。
優れた候補者体験は、中長期的な採用コストの大幅な削減をもたらします。選考に満足した求職者が、口コミや紹介を通じて新たな候補者を呼び込むオーガニックな採用ループが生まれるためです。
不採用になった人が自社を好意的に周囲へ勧めてくれるケースもあります。結果として求人広告や人材紹介会社への依存度が下がり、自社主導の効率的な採用活動が可能になります。
候補者体験の改善は、インターネット上における強力な採用ブランドの確立に直結します。現代の求職者は企業の公式情報よりも、SNSや口コミサイトに書かれた求職者のリアルな声を信頼するからです。
選考プロセスが丁寧であれば、好意的なレビューが自然とネット上に蓄ないし蓄積されていきます。蓄積された良い口コミが強力な誘引力となり、多額の広告費をかけずとも優秀な層が集まるようになります。
候補者体験の向上は、企業の既存顧客を維持し、将来のビジネスパートナーを獲得することに繋がります。不採用となった応募者も、選考が終われば一人の消費者でありビジネスパーソンに戻るからです。
例えば選考で不快な体験をした人は、二度とその企業の製品を購入しなくなります。逆に誠実な対応を徹底すれば、合否に関わらず一生のファンや将来の取引先として自社を支えてくれます。
候補者体験の改善は、巨額のシステム投資ではなく日々の運用の見直しから始めることができます。自社の課題を発見し、効果的に体験価値を高めるための具体的な3つのステップを解説します。
まずは求職者の視点に立ち、自社の採用プロセスがどう見えているかを客観的に把握することから始めます。社内の当たり前を見直し、改善すべきボトルネックを発見するための具体的な3つの手法を紹介します。
担当者自身がスマートフォンの画面から自社の求人に応募してみることが重要です。応募フォームの入力項目が多すぎたり、操作性が悪かったりするだけで優秀な人材は離脱してしまうからです。
例えば職務経歴の詳細を何度も入力させる仕様は大きな負担になります。入力の手間を徹底的に減らし、最初の応募ハードルを下げることが改善の第一歩です。
現在使用している不採用通知の文面を、一人の求職者として読み返してみることが必要です。多くの企業が冷淡な定型文を送っており、これが企業イメージを悪化させる原因になっているからです。
自社を選んで時間を割いてくれたことへの感謝が伝わる温かみのある文面に変更します。丁寧な文面に変えるだけで、不採用という結果であっても読後の印象を良くすることができます。
入社を決めた内定者や、途中で選考を辞退した人から率直な意見を回収することが有効です。当事者の生の声こそが、選考プロセスの強みや弱みを最も正確に教えてくれるからです。
例えば面接のどの発言に惹かれたか、何がネックで辞退したかを定期的にヒアリングします。得られた意見をログとして蓄積し、次の採用フローの改善に活かしていきます。
現状を把握した後は、各選考フェーズにおける求職者の不快感や不安を徹底的に取り除いていきます。以下のチェックリストを参考に、マイナス要因を無くしプラスの感動を与える施策を講じます。
| フェーズ | よくあるガッカリ体験(ペイン) | 改善のための具体策(ゲイン) |
| 認知・応募 | 良いことしか書いてなくて怪しい | 組織の課題や泥臭い部分もあえて開示する |
| 応募フォームが長すぎる | 最初の応募は履歴書不要にして連絡先のみでハードルを下げる | |
| 日程調整 | 返信が3日以上来ない | 24時間以内の返信をチームの絶対ルールにする |
| 提示された面接候補日時が少なすぎる | 日程調整ツールを導入し候補者の手間をゼロにする | |
| 面接当日 | 面接官が遅刻する | 面接官トレーニングの実施 |
| 履歴書をその場で読み始める | 最初の5分でアイスブレイクし話しやすい空気を作る | |
| 自慢話や一方的な質問攻め | ||
| 合否連絡 | 選考から結果まで1週間以上待たされる | 合否に関わらず結果はスピード命で送る |
| 落ちた理由が全くわからない | 面接で感じたその人の素晴らしいところを添えて連絡する |
応募受付から面接日時の確定までは、徹底的なスピード対応と手間の削減が求められます。なぜなら連絡の遅さは企業の志望度低下に直結し、他社へ流れる原因になるからです。
例えば日程調整ツールのTimeRexなどを導入し、URLを送るだけで調整を完結させます。求職者を待たせない仕組みを作ることが、信頼感を生むための大前提となります。
面接当日は求職者を歓迎し、お互いが対等に対話できる環境を整えることが重要です。面接官の一方的な質問攻めや威圧的な態度は、企業のブランドを著しく傷つけるからです。
まずは最初の5分間でアイスブレイクを行い、話しやすい空気を作ります。面接官は会社の広報マンであるという意識を持ち、傾聴の姿勢を貫くことが大切です。
選考後の合否連絡は、可能な限り早く、かつ誠意を持った内容で送る必要があります。選考結果を長く待たされることは求職者にとって最大のストレスであり、不信感に繋がるからです。
例えば不採用の場合であっても、面接で評価できた点を一言添えて連絡します。迅速かつ丁寧なフィードバックを行うことで、誠実な企業としての印象を残せます。
どこから改善すべきか迷った際に、最も投資対効果が高く即効性のある2つの重要施策について解説します。
何よりも優先すべき施策は、あらゆる連絡において24時間以内の返信を徹底することです。返信の早さはそれ自体が求職者に対する最大の誠意であり、他社との差別化になるからです。
例えばカジュアル面談の実施後は、当日中にお礼のメールを送信します。迅速なレスポンスを維持することで、求職者の不安を無くし志望度を維持できます。
人事だけでなく、面接を担当する現場のマネージャーや役員の意識を根本から変える必要があります。候補者体験を台無しにする最大の原因は、現場面接官の不適切な態度にあるからです。
面接は品定めではなく、自社のファンになってもらう場であると社内で共有します。キャリアに真摯に向き合う面接官を増やすことが、最強の採用ブランディングになります。
A:選考辞退の減少による内定承諾率の向上と、口コミの好転に伴う採用コストの削減です。
A:自社選考プロセスの現状把握と、連絡スピードの徹底、現場面接官の意識改革が即効性の高い施策です。
自社の採用フローにおいて候補者体験をどう改善すればいいか分からない、またはボトルネックがどこにあるか見えないとお悩みでしたら、業界や規模を問わず採用ブランディングを手掛ける株式会社スカイベイビーズにぜひご相談ください。
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